今さら聞けない疑問を解決 Vol.1 グレードってだれがつけてるの?

aboutgym_0201今さら聞けない疑問にフォーカスする企画第1回は、振り回されるつもりがなくても、いつの間にか振り回されている「グレード」です。
 
今回は北山真の解説でお送りします。
 
ルートにも、ボルダー課題にも、必ずグレードというものがついています。グレードとは難しさの度合いを表わしています。自然の岩場でも、クライミングジムでも、多くのルート、ボルダー課題からどれを登るかを決めるのは、まずグレードという人がほとんどではないでしょうか。

 

ルートクライミング

国内のルートに関しては、アメリカで使用されているデシマルグレードを採用しています。

フリークライミングを意味する「5.」で始まり、その後ろに10a、11bなどの数字とa~dのアルファベットがつきます。

数字だけのほうがわかりやすいのになぜアルファベットが出てくるのでしょう。

それは、そもそもデシマルグレードは5.10が上限だったことに端を発します。いまや、5.3とか5.4とか言われても、あまりに簡単で区別がつかないかもしれませんが、デシマルグレードが考案されたころ(1960年代)は、基本、登山靴で岩登りをしていた時代。その時代に5.10が上限とされたのです。

しかし、1970年代に入り、専用のクライミングシューズが開発され、さらにクライマーのレベルアップもあり、5.10以上と思われるルートが出てきました。そこでとりあえず、やさしめの5.10を5.10aとし、その上を5.10bとしましたが、さらに難しいルートが現われ、5.10c、5.10dときてしまいました。

そして、新たにまったく別の次元の難しさということで5.11という数字が誕生します。その後、5.12、5.13、5.14とグレードは伸び、現在5.15に至っています。

グレードをつけるのは、最初にそのルートを登った人=初登者です。平均的にどういったタイプのルートでも登れる人なら良いのですが、どんな人にもたいてい得意、不得意があるもので、だれが登っても納得できるようなグレードがつけられるとは限りません。

多くの人が登った結果、ほとんどの人がグレードに疑問を持った場合、あとからグレードが改定されるということもよくあります。