アダム・オンドラ いよいよヨセミテへ向かう 「学校が終わり。そして今、ドーン・ウォールが僕を呼んでいる」(3)

 

――今回のクライミングツアーのパートナーは誰ですか?
そうですね、今のところノーズは父のビレーで登る予定です。で、他のルートは多分チェコから来る友達のひとりと登ることになるでしょう。

 

――ドーン・ウォールもトライするようですが、何があなたを世界最難ビッグウォールへの挑戦へと駆り立てたのですか?
ビッグアッププロダクション作製のビデオ『Progression』がきっかけです。実際にはまだ『Progression』のリリース前でしたが、ブレット・ローウェルがそのプロジェクトについて話してくれたのです。それはもう凄い刺激を受けましたよ。最初から大いに気に入ってしまったのです。特にそのクライミングスタイルですね。親指をしっかりきかせてバランシ―なムーブをこなしていくフェースクライミングに惹かれたのです。それはヨセミテの一般的なクライミングスタイルとは必ずしも同類ではないですね。そして、そのクライミングの凝縮度です。連続する高難度ピッチを次々に登っていくのですよ。唯一無二のルートです。世界広しと言っても、こんなルート、まず他ではお目にかかれないでしょうね。

 

――どのようにドーン・ウォールを攻めようと考えていますか?
手始めに、上にまわってそれぞれのピッチをラッペルしながらトライすることも考えたのですが、いろいろ言われることでしょうね。ですから、あくまでグランドアップで攻めることにしたのです。まあ、もし核心のピッチで必要になってくるのなら、ロープをフィックスしてムーブを探る場合もあるでしょうが。で、その後、ワンプッシュでのクライミングに挑戦する、ということになるでしょう。

 

――トミー・コールドウェルにルートについて何か聞きましたか?
トミーとは少し話しただけですが、彼は幾つかの役に立つ助言をしてくれました。例えば、ベースキャンプやポーターレッジの設置場所とか、フィックスロープを張る場所とかいったことですね。それにクライミングシューズについてもアドバイスしてくれました。シューズの選択は極めて重要ですよ。

 

――スポルティバのTCプロを履いていくのですか?
いやわかりません。TCプロで登ったことは一度もないのです。一応注文したので、少し試してみようとは思いますが、私向きの靴ではないとは思っています。多分、スポルティバのカタナレースで登るでしょう。

 

――ドーン・ウォールに首尾よく成功すると考えていますか?
ヨセミテは初めてなので、そこまで欲をかくつもりはありません。ただ私は、それに挑戦してみたいのです。私にとって、ヨセミテは一度も足を踏み入れたことのない歴史的意味合いを持つ唯一の岩場なのです。そんなことも、そこに行ってみたい理由です。もちろんまず最初に、そこが魅力的なところだからですが。ヨセミテ渓谷は、私が今まで行ったことのある場所とは全く異なっていることでしょう。そんなことも私を惹きつけるのです。そして自分がクライミング史の一部となることができたら、それはもう最高に素晴らしいことでしょう。さて、どうなることでしょうか。

Adam Ondraさん(@adam.ondra)が投稿した写真

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