米倉亜貴が選ぶはじめての一足 イボルブ『エレクトラVTR』

 

イボルブ『エレクトラVTR』
1万1550円
サイズ=US Women’s 3.5〜8.5(20〜25cm相当)
*( )内のサイズは目安です

 

 レンタルシューズを卒業して、自分で手に入れる初めてのクライミングシューズ。
記念すべき一足だが、多様なモデルのなかからどれを選んだらいいか悩むところだ。
そこで、自らも多くのシューズを履き、数えきれないほどの課題を登ってきたクライマー・米倉亜貴さんに、
自身の体験や初心者の指導を通じて思うファーストシューズの選び方、また「エレクトラVTR」をすすめる理由を聞いた。

よねくら・あき
身長147cmの体で数々のコンペで活躍し、女性で5.14を登る数少ないクライマー。現在はセッションやイベントなどで、主に女性向けのインストラクションを行ない、小さくて力がなくても登れるクライミングの楽しさを伝えている。

 

 ソール、アッパーともにしなやかで柔らかい。履いていて痛みや違和感がなく、足裏のホールドに乗っている感覚が伝わりやすい

 

 つま先周りのラバーは少し厚め。足置きに慣れていない初心者にありがちな、壁にこすりつけられてトウにだけ穴が開くこともない

 

 日本人女性に合う細身の作り。ベルクロをしっかり締めても、タンにクッション性があるので痛くない。履き口が広く、脱ぎ履きもスムーズだ

 

 ソールには「トラックス・ラバー」を使用。フリクションがよく、しっかりとフットホールドをとらえる

 浅くカットされたサイドのデザインは女性にぴったり。足首の自由度が高く、動くたびにくるぶしが当たって痛い思いをすることがない。メンズモデル「デファイVTR」と比べるとその差は明らか

 

 

 

Q.ズバリ! 初めてのシューズを選ぶときに最も重要なポイントは何でしょう?
A.なによりも履きやすさですね。初めての靴はとにかく痛くないことが大切。足に合っていて、履いたときに包み込まれるような感覚がある靴が一番です。

Q.米倉さん自身が初めてのシューズを買うとき、どのように選びましたか?
A.やはり痛くないことを基準に選びました。いま私が履いているサイズより1.5cm以上大きいのに、当時はそれでも痛くて、かなり迷った末、いちばん痛みの少なかったシューズに決めました。

Q.では2足目のとき、選ぶポイントとして1足目と何が違いました?
A.サイズを下げ、もっと硬いものを選びました。筋力やテクニックが身について細かいフットホールドに立てるようになり、外岩へも行くようになって、硬い靴でないと対応できないことが増えてきたからです。すごく柔らかい靴から極端に硬い靴に変えたので、足裏感覚がなくてなかなかなじめませんでしたね。3足目は、ちょうど中間の硬さのものにしました。

Q.初めてのシューズを買うタイミングはいつがいいと思いますか?
A.クライミングが楽しい、続けていけそうだと思ったら、買いどきです。ただ、しばらくはレンタルシューズで、毎回少しずつサイズを小さくしてみるのがおすすめ。そうすれば、自分が痛くなく登れる最小のサイズを探ることができますから。サイ
ズの小さいほうが登りやすいことを、自分で実感してから買うのがいいでしょう。

Q.では、初めてのシューズ選びで気をつけなくてはいけないことは?
A.小さすぎるサイズを選ばないこと。試し履きでなんとか我慢できるいちばん小さいサイズを選んでしまうと、仕事帰りで足がむくんでいるときなど、靴を履くこと自体が苦痛になってしまいます。
 また、最初は足裏感覚がよくわかる靴を選んでほしいですね。最初の一足はその後のクライミングスタイルの基本を作るんです。最初に足で乗り込む、かき込む、押し付けるといった感覚を知ることで、その後も足使いを意識したクライミングができるようになると思います。

Q. 最後に、「エレクトラVTR」をすすめる理由を教えてください。
A.今までお話しした、初めてのシューズに必要な条件をすべて満たしているのはもちろん、「エレクトラVTR」はとても丈夫。水でジャブジャブ洗っても型崩れせず性能も衰えないので、いつまでもきれいに、気持ちよく履けるんです。それに、履いているうちに自分の足になじんでくるのに伸びにくいので、試し履きのときのサイズ感が最後まで変わらない。伸びるのを想定して小さめのサイズを選ぶ必要はないと思います。サイズ展開が幅広いので、私のように足の小さい人でも大丈夫。価格が手頃なのも大きなポイントだと思います。あと、ほかにないカラーも魅力ですね。かわいいものを持つとモチベーションが上がって、上達にもプラスになりますよ。

イボルブ 『デファイVTR』
1万1550円
エレクトラVTRのメンズモデル。広めの足幅は標準的な日本人に最適。手頃な価格もファーストシューズに欠かせない要素だ。

 

写真=山本浩明 文=小川郁代
問合せ先=イボルブ・ジャパン☎0565-42-3505