花谷、馬目、青木チームがキャシャール南ピラー初登攀

2012年12月14日

2012年11月11日、花谷泰広、馬目弘仁、青木達哉の3人がネパール・ヒマラヤのキャシャール(=Peak43、6767m)南ピラーの初登攀に成功した。キャシャールは2003年、ブルース・ノーマンド率いる国際隊によって西稜から初登頂されたものの再登はされておらず、これが第2登となる。なかでも南ピラーは大岩壁を二分するかのようにそそり立ち、これまでにもチェコ隊、英国隊などのたび重なる挑戦を退けてきた。

3人はメラピークで高所順応後、11月6日にベースとしていたタンナ(4300m)のロッジを出発。標高差約900mの下部岩壁を越え、中間部のプラトーをたどって3日目に上部岩壁につなげた。ここから先は急峻で脆い岩場が続き、標高6000mを超えるとルートは雪壁、ミックス壁となって快適にルートを伸ばす。しかし核心は5日目にやってきた。行く手にはシュガースノーのヒマラヤ襞が立ちふさがり、安定したプロテクションは望むべくもない。「悪夢のような」雪のリッジを突破した翌日、登攀開始から6日目にして3人はキャシャールの頂上に立った。

■キャシャール南ピラー 初登攀
Kyashar South Pillar
ルート名=「The NIMA Line」
グレード=ED+、M5、5.10a
標高差=2200m(ベースより2400m)
メンバー=花谷泰広、馬目弘仁、青木達哉

*  この登攀の詳細は3月6日発売の『ROCK&SNOW』059号で紹介する予定です。

Kyashar South Pillarキャシャール南ピラー

002_Kyashar_2066核心部はここから始まる。標高6000m付近

キャシャール頂上に立つ青木(左)と馬目 撮影=花谷

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