ボルダリングワールドカップ第3戦、藤井快、野口啓代が優勝

文=北山 真 写真=JMSCA、IFSC

5月5日、6日でボルダリングワールドカップ第3戦が、中国・チョンキン(重慶)で開催された。

女子はヤーニャ・ガーンブレッ卜が不参加(学業の都合らしい)、さらにショウナ・コクシーも欠場。こうなると当然ながら、野口啓代と野中生萌、日本人同士の一騎打ちということになる。まず予選でそれぞれ1位(別グループ)。セミファイナルでは二人だけが全完登。そしてなんとその成績は、ゾーン(今年からボーナスから名称が変更)獲得のトライ数が野中11、野口12という僅差であった。


予選の野口啓代、左は野中生萌

ファイナルでも両名と他選手の差は顕著で、第1課題をふたりのみが完登。しかしバランシーな第2課題で野中がつまずく。野口はこれを2撃し波に乗り、残る2課題を一撃、優勝をきめた。性格の異なる課題にも即座に対応する、野口の適応能力の高さが光った。

男子は、国内の主要大会とバッティングということで、韓国のファイナル常連、チョン・ジョンウォンが不在となった。男子予選では緒方良行が全課題完登で1位。上位入賞が期待されたが、セミファイナルでは、全課題ゾーンを獲得したものの1完登に終わった。日本人は大量7名がセミファイナルに進んだが、ファイナルに進んだのは藤井快だけだった。


ファイナル第4課題を完登する藤井快

男子ファイナルはいささかイレギュラーな内容となった。第1課題は全員が一撃、第3課題は全員がノーゾーン。実質残る2課題での勝負となった。第2課題を登ったのは藤井、ショーン・マッコール、ヤコブ・シューベルトの3名のみ。勝負は第4課題、複雑な向きに配置されたボリュームをつないでいく、総合力と柔軟性が要求されるこの課題をみごと藤井は完登。ショーン、ヤコブともに登ることができず、藤井の優勝が決定した。

リザルト

女子

1 野口啓代
2 野中生萌
3 スターシャ・ゲヨ(SRB)
4 エカテリーナ・キプリヤーノヴァ(RUS)
5 ジェシカ・ピルツ(AUT)
6 カティヤ・カディチ(SLO)
――
16 伊藤ふたば
18 加島智子
20 中村真緒

男子

1 藤井快
2 ショーン・マッコール(CAN)
3 アレクセイ・ルブツォフ(RUS)
4 ヤコブ・シューベルト(AUT)
5 ヤン・ホイヤー(GER)
6 イェルネイ・クルーダー(SLO)
――
9 石松大晟
10 緒方良行
11 楢崎智亜
12 杉本 怜
14 村井隆一
15 藤脇祐二

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