小川山・烏帽子岩本峰・ラストリゾート

ラストリゾートは、菊地敏之によって2011年に開拓・初登されたラインで、70mという長さは、1本のクラックとしては小川山随一の長さ。烏帽子岩の頂上へトップアウトできる、日本離れした素晴らしいフィンガークラックのラインは、クラックがある程度登れるようになったら是非トライしてもらいたい。

『ROCK&SNOW』053号 で紹介されたものの、『日本100岩場』には収録されていないため、改めて紹介します。(文責:榎戸雄一)。

【アプローチ】
詳細は『日本100岩場 伊豆・甲信 増補改訂新版』の烏帽子岩の項を参照のこと。アプローチにはケルンやテープが多数巻かれているため、迷うことはないが、裏烏帽子との分岐点を見落とさないように。廻り目平の駐車場から約40分。

【ギア】
フィンガーとハンドサイズのカムを 2セットと、フィンガーサイズのギアがもう 1セットあると心強い。

【ラストリゾート】
ラストリゾートは 2ピッチからなるクラックのラインで、ピッチの切れ目には立木がある。1ピッチ目が 30m、2ピッチ目は40m。ボルトは終了点のみで、基本的にオールナチュプロのライン。

[1P目:5.10a]
ややわかりづらいが、取付きは『森の天使』のすぐ左。汚いスラブを少し上がり、左上のコーナークラックを目指してトラバース。クラックを途中の立木まで登ってピッチを切る。トラバースがやや怖いが、よく探せば手前でプロテクションが取れる。

 

[2P目:5.10c]
核心ピッチ。クラックをたどって行けば頂上へトップアウトできる。クラックだけでなく、フェイスもふんだんに使えるため、グレードほどは難しくないので、後ろに広がる小川山の景観を楽しみながら登りたい。

そのまま最後までクラックを登って行きたいところだが、クラック上部は掃除が未完全なため、最上部は右側の『森の天使』の方が登りやすい。

終了点には『森の天使』と共通のラッペルステーションがある。

 

【下降】
すぐ横の『森の天使』の各ピッチの終了点を使えば、60mのシングルロープ 3回で下降できる。同ルートを下降する場合は、ダブルロープで登る必要がある。

 

また、ボルトルートではあるが、周辺の『森の天使』や『なんかようかい』も登り応えのある面白いルートだ。トラッドに慣れたクライマーなら、『なんかようかい』はオールナチュプロで登れる。

 

 

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