十年ほど前まではジムでしか登らないクライマーというのは希少でしたが、最近はすっかり逆転し、岩場に行くジム利用者は少数派になっています。岩場で登っていることを話すと「怖くないですか?」 と聞かれることもしばしばで、岩場からクライミングを始めた私としては、どう答えていいのか悩むところです。
自然が好きな人であれば、アウトドアでのクライミングが気持ちいいことは容易に想像がつくと思いますが、 行ってみたくても危険なイメージがあって踏み出せない人が多いようです。アウトドアには当然ながらジムのようなフカフカのマットはありません。
携行できるボルダリングマットは、大きくてもタタミ1畳ぶんに満たない面積ですし、厚さはジムのマットの半分ほどもありません。
ちゃんとマットの上に落ちれば、ある程度衝撃は吸収してくれますが、不用意にお尻や背中から落ちることは許されません。つまり、インドアでの登り方や落ち方そのままというわけにはいかないのです。また、当然天候が崩れたり、気温が下がったりと様々な変化に対応しなければならず、準備はしっかり整えて出かけなければなりません。
今回はアウトドアボルダリングで必要なアイテムについて紹介します。
クライミングシューズ、チョークバッグ、歯ブラシ、ボルダーマットのほかに、トポ(岩場のどこにどんな課題があるか記したマップ)、雨具、防寒具、食料、ヘッドランプ等を携行しましょう。
また、道なき道を進むこともあるので、アプローチシューズで足元を固めると安全で楽に歩けます。
インドアで使用しているものでOKですが、 チャートや花崗岩といった岩質の違いや課題の傾斜の違いによって適正なシューズを履けば成果に差が出ます。
ほとんどの場合、置き型で事足ります。ただし、トラバース課題など手数が多い課題を登るときは腰に下げられるものがあると便利です。
購入する際は、まずは120×90㎝くらいのサイズのものを購入しましょう。また、エリアによってはマットのレンタルがあり、ビギナーにはうれしいところです。
高いところが掃除できるように、伸縮できる棒の先に歯ブラシを付けたものを用意しましょう。歯ブラシはナイロンか動物の毛のものを。ワイヤーブラシは岩を傷つけるのでNGです。
岩場の場所や行き方、課題の場所やグレードが示された本。まずは、自分の行く岩場がどんなところで、どんな課題があるのか、行く前にチェックしておきましょう。
荷物を置いたり、食事をとったりするときにあると便利です。
楽しく登りすぎて、気がついたら日没……ということもあります。日が暮れた山中は真っ暗で、たった5分のアプローチでも明かりを持たずに歩くのはたいへん。シンプルなもので大丈夫なので、必ず携行しましょう。
足元を固めると苦手な山歩きも快適になります。ぜひ、専用のシューズを。
火器を持ち歩く人もいますが、手軽なのは保温ポット。保温性の高いものを持っていれば、一日中熱いお湯が使え、寒いときには重宝します。
岩場でちょっと移動したいときのために、人によってはクライミングシューズの上から履ける大きさのものを持っています。
天候や気温の急変に備えましょう。山中は春秋でも寒いことがあるので、ダウンジャケット等は忘れないように。雨への備えは、アプローチの長さなどで変わります。レインウェアがあれば安心です。
いきなりひとりや未経験者だけで岩場に行くのが怖い人は、通っているジムのオーナーやスタッフに相談してみましょう。岩場体験会などをやっているジムもあるので、ドンドン活用して、安全にはじめの一歩を。
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