クライミングによる膝の痛みを撃退するための、3つのセルフケア

インドア フィットネス
2017.09.27
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 文=杉山典之

「普段はなんともないのですが、なぜか登っていたら膝が痛くなるんですよね」

ある女性クライマーが、当院に相談されたときの話。

「普段は、全く何もないんですか?」
「うーん。そういえば、山登りで下るときも痛いかも」

以前、心配になってレントゲンを撮ってもらったこともあるそうなのですが、異常はなかったこの女性。 いったい何が原因なのでしょうか?

今回はこの女性の症状を追いかけながら、膝の故障の解消方法についてお話しします。

女性クライマーの「膝」から見えたこと

まずは、「フロントランジチェック」で膝の状態を把握してみましょう。まず、足を前後に開き、体は真っ直ぐ前を向いてください。

次に前に出したほうの膝をゆっくりと曲げていきます。

今度は前後を入れ替えて同じチェックをしてみましょう。

この際に、下の写真のように膝が内側に入っていくようであれば、膝がうまく機能していないと考えられます。

通常、膝は「屈伸」、曲げ伸ばしを行なう関節です。 足と膝と股関節の軸が一直線上に入るため、脚の軸が利き、負担なく脚を使うことができます。 しかし、膝を曲げる際に膝が内側に入ってしまったらどうでしょう。 曲げ伸ばしをする関節に、「ねじれ」の負担がかかってしまいますね。また、足と股関節の軸線上に膝が入っていないと余分な筋力を必要としてしまうので、故障の原因になりやすいのです。

今回の女性クライマーの場合も、やはり膝が内側に入ってしまう現象がみられました。 この現象を解決し、膝の故障を解消するためのセルフケアを3つご紹介しましょう。

1.膝側面のセルフリリース

まずは椅子に腰掛けましょう。

痛みがある脚の太もも、膝付近の内側と外側の皮膚を手でつかみます。

次にゆっくりと膝の曲げ伸ばしをしてみましょう。

最初は皮膚の抵抗感があり、動かしづらいと思いますが、5~10回行なってください。 そうすると、少しずつ動かしやすくなってくるかもしれません。

2.ハムストリング(太ももの後ろ側)のセルフリリース

同じく、椅子に座って行ないます。

今度は、太ももの後ろ内側の皮膚をつかみます。

そして、ゆっくりと膝の曲げ伸ばしを行ないましょう。側面と同様に、これを5~10回行なってください。

3.ニーアウトランジ

最初のチェックで行なった、フロントランジの姿勢をとりましょう。 次に、前に出したほうのつま先を内側に入れてみてください。

そしてこのまま膝を曲げていくのですが、ここでは膝を外側へ動かすように意識しましょう。 ある程度曲げたところで、3秒間キープします。

つま先は内、膝を外へ向けると、膝に少しねじれるような感覚が入ります。 これを5回1セット、一日3セットを目安に行ないましょう。

上記のセルフケアに関しては、痛みが強い場合は控えてください。 ケア中に痛みが増す場合や不快感がある場合は、整形外科を受診されることをオススメします。

膝の痛みを解消して、楽しいクライミングライフを!

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