クライミング日本選手権「マムートカップ」

1月5日、6日、マムートジャパンの協賛により、東京都の東久留米スポーツセンターにおいてクライミング日本選手権が開催された。

日本選手権は古くは“大倉カップ”として行われた伝統ある大会で、これまでは日本フリークライミング協会の主催してきた。今回から日本山岳協会の主催となったのは、日本代表の選考大会がジャパンカップひとつでは選考が難しいという理由からである。

5日はワールドカップと同様に2本のルートをフラッシングで登る形式で予選が行われた。フラッシング(オンサイトと異なり、他人の登りを見られる)で行う理由は、選手が多い予選ではアイソレーションのスペースの確保が困難になるためで、2本登る理由は後から登る選手が有利になるため、順番を入れ替えるためである。


(左)思いきりのいい登りで2位になった楢崎
(右)ユースの女子注目株、田嶋は2位

女子は欠場者が出、参加者が定員以下の24名だったため、当然全員が予選通過した。

6日は男女の準決勝が同時に行われた。女子は予想通り野口啓代がただ一人の完登で1位通過、他7名はほとんどがユースという顔ぶれ。JOCアンダーユースBの覇者、菊沢絢が7位で通過した。

男子はトップレベルの実力者が15名ほどいる状況の中、なんとか8名を選出しなければならない。このためルートは当然厳しいものとなった(推定5.13c)。松島暁人、新田龍海、島谷尚季が最高到達点をマークした。

決勝は女子と男子が交互に登る形で行われた。女子はここでも野口が実力の差を見せ優勝したが、完登を逃したことで笑顔はなかった。2位にはユースの田嶋あいか。ユース卒業の2名、尾上彩、大田理裟が同高度で続き、タイムで尾上が3位となった。


優勝は女子が野口。男子は松島

男子はさらに厳しいルートとなり(推定5.13d)、上部に達することが出来なのは3名のみ。このところ実力を出し切れない感のあった小澤信太がようやく本来の力を発揮し3位。ユースの楢崎智亜が持ち前のアグレッシブな登りで2位、そしてやはり松島暁人が格の違いを見せ優勝した。



視覚障害者の部決勝の小林

視覚障害者の部では、パリでの世界選手権でも争ったベテラン小林幸一郎と若手の会田祥の対決となり、同高度ながら小林がわずかなムーブの差で優勝した。

 

 男子
1 松島暁人
2 楢崎智亜
3 小澤信太
4 新田龍海
5 島谷尚季
6 尾形和俊
7 清水裕登
8 野村真一郎

 女子
1 野口啓代
2 田嶋あいか
3 尾上 彩
4 大田理裟
5 竹内彩佳
6 野中生萌
7 大澤咲子
8 菊沢 絢

 視覚障害
1 小林幸一郎
2 会田 祥
3 中越祐太

文=北山 真 写真=山本浩明

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