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ボルダリングジャパンカップ2015、女子は大波乱。野口啓代、野中生萌が準決勝落ち、制したのは田嶋あいか
2月21日、22日、深谷クライミングヴィレッジで、第10回ボルダリングジャパンカップがキョーリン製薬グループの特別協賛、マムートジャパン、好日山荘の協賛で開催された。
予選はまず、104名の男子がAB2グループに分かれて行なわれた。課題数は5つ。つまり10課題が同時進行で行なわれた。内容は基本的に厳しく、第2課題(ABとも同一)にいたっては、たったの2名しか完登できなかった。ゼロ完登は37名。
総勢45名の女子も、時間の関係で2グループで行なわれた。こちらも、ほぼ半数の21名がゼロ完登という厳しさ。小学生の伊藤ふたばが、7位という好成績をあげた。
女子の大波乱は、2日目の準決勝で起きた。まず第1課題は、低いケイブ状の左右のハリボテにステミングしてからツララ状に飛びつくもので、大柄な選手は足がマットに擦りやすい。逆に田嶋あいか、戸田萌希のような小柄な選手は一撃している。ここで野口啓代、野中生萌は3アテンプト(トライ)かかってしまう。
そして第2、第3課題は、あきらかに野口と野中を想定して作られた難度の高いもの。ところが、いささか難しすぎたようで、このふたりを含め誰一人完登ができなかったのだ。
第4課題はスラブ。薄いホールドへの横ランジから始まるのだが、野口がこの横っ跳びでつまずいてしまう。これも長身が災いしたのではないだろうか。下方向にちかいランジとなるので、体の振れが大きくなってしまったと思われる。野中はここはこなしたが、ゴールを取る立ちこみに失敗してしまう。この課題は、20人中7名が完登しており、この二人ができなかったのは、まさに“神のいたずら”と思える。
このふたりに代わって、田嶋あいかが決勝で見事なパフォーマンスを見せた。ただ一人の3完登。2位の戸田も、3位の尾上彩も1完登である。特に田嶋のみが完投した第3課題、トラバースからマントル、そして小林由佳が持った瞬間「これか…」とささやいた、超小さなホールドから、最終ホールドを見事つかんだ。仮に野口、野中が決勝に出ていても、三つ巴の争いになったのではないだろうか。
男子は杉本怜が悲願の初優勝。ボルダリングジャパンカップの「男子は同選手の2度の優勝はない」というジンクスは守られた。(文=北山 真、写真=山本浩明)
キョーリン製薬グループ presents ボルダリングジャパンカップ2015 | |
◆男子 1 杉本 怜(東京都) 2 渡部 桂太(三重県) 3 楢崎 智亜(栃木県) |
◆女子 1 田嶋 あいか(三重県) 2 戸田 萌希(山梨県) 3 尾上 彩(埼玉県) |


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