2016年度“裏”ゴールデン・ピトン賞「錆びたピトン賞」チッピング部門。受賞被害エリア=ユタ州リトル・コットンウッド・キャニオン、およびネバダ州レッド・ロック(2)

クライマー・コミュニティーとSLCAは、同エリアでの岩への落書きとか、その他の破壊行為の被害を修復するために多くの資金を費やした。しかし、そもそもその行為のターゲットは私たちクライマーで、またお金で解決できる問題でもないのだ。破廉恥な行為の対象となった課題には、V2からV11のクラッシックな課題もあれば、ローカル・クライマーの間でよく知られていたプロジェクトも多く含まれている。もちろん、すべての課題が今も登ることはできるが、以前よりも簡単になってしまった課題がある。

ソルト・レイク・シティーのクライマーたちが、なぜリトル・コットンウッド・キャニオンがその悪質な行為の対象に選ばれたのかを理解できないでいる一方で、レッド・ロックであったチッピング行為の目的は明らかであった。V14の課題であった”Meadowlark Lemon”は、その核心となるホールドが課題の難度を下げるためにチッピング行為によって改ざんされたのだ。

>>グレード比較表

“Meadowlark Lemon”の初登者は、2012年にポール・ロビンソン。初登成功後、彼は「5つ星の課題といっても控え目過ぎるぐらい素晴らしい課題だ」と、27crags.comのHPにアップしている。そのとき以来、V14にグレーディングされた課題の中でも、最も目を惹きつける美しさを持った課題のひとつとして知られるようになった。またレッド・ロックの多くのエリアで、ハードな課題の開拓の起爆剤としても役立ってきたのだった。

>>”Meadowlark Lemon”に対するチッピング行為の結果は__[つづきを読む]