ボルダリングワールドカップ、スイス・マイリンゲンで開幕

BJCに続きワールドカップでも優勝した楢﨑智亜 Ryu Voelkel

文=北山 真 写真=IFSC、Ryu Voelkel

2022年4月8日~10日、スイス・マイリンゲンでボルダリングワールドカップ2022の第1戦が行われた。

8日が予選なのは通常と同じだが、9日が女子の準決勝と決勝、10日が男子の準決勝と決勝という日程は異例のものといえよう。

日本からの参加は女子が、伊藤ふたば、野中生萌、倉菜々子、小池はな、青柳未愛、菊地咲希、松藤藍夢の7名。男子は楢﨑智亜、緒方良行、井上祐二、土肥圭太、藤井快、高田知尭、山口賢人、吉田智音、川又玲瑛の9名。今シーズンからユニフォームのカラーがシックなブルーに変更されている。

女子で予選通過したのは伊藤ふたばのみ。男子は1位通過の楢﨑、以下緒方、井上、土肥、藤井、高田の6名が通過した。

女子準決勝。ヤーニャ・ガーンブレットのみが全4完登。ナタリア・グロスマンが3完登で続く。以下2完登が9名。アテンプト数で伊藤は辛くも6位で決勝に進んだ。なお予選全完登で、ヤーニャとともにグループ1位で注目されたイスラエルのアヤラ・ケレムは16位だった。

女子決勝。内容の多彩さもさることながら、見た目もアトラクティブなものだった。第2課題などはそのまま彫刻の作品として通用する印象だ。伊藤が第3課題のフットホールドがキーとなる核心をこなし、豪快に最終ホールドに達するがわずかに遅くタイムアウト。これは実に惜しかった(おそらく1秒は超えていなかった)。ヤーニャ全4完登、ナタリア3完登は全く準決勝と同じ。3位に地元アンドレア・キューミンが入賞しギャラリーは大きく沸いた。


今シーズンも絶好調のヤーニャ・ガーンブレット Ryu Voelkel


決勝の伊藤ふたば

男子準決勝。シンプルなスラブ、複雑なコーディネーション、バランシ―なダブルダイノと多彩な内容。藤井、楢﨑が全4課題完登で1位、2位通過。緒方が2完登ながらギリギリ通過。井上はアテンプト差で惜しくも7位だった。

男子決勝は、日本人ベテラン3名対若手3名の勝負となった。メジディ・シャルク(仏、17)は第2課題をただ一人完登。ポール・ジェンフト(仏、18)、コリン・ダフィ(米、18)は第3課題を怒涛のトライで完登するが、コリンは第1課題のスラブが登れていない。試合は2完登3ゾーンをめぐってのアテンプト勝負となった。楢﨑が3アテンプトでトップ。緒方が5アテンプトで続く。最後に藤井が登場。完登すればただ一人の2完登4ゾーンとなり優勝、さらに日本人のワン・ツー・スリーで完結する。しかし出だしのダイナミックムーブが止まらず敗退。ゾーンすら取れず最下位となってしまった。


決勝第4課題の緒方良行

女子

1 ヤーニャ・ガーンブレット SLO
2 ナタリア・グロスマン USA
3 アンドレア・キューミン SUI
4 オリアーヌ・ベルトーヌ FRA
5 伊藤ふたば
6 スターシャ・ゲオ SRB
ーーーーー
25 倉菜々子
27 野中生萌
  小池はな
29 青柳未愛
33 菊地咲希
49 松藤藍夢

男子

1 楢﨑智亜
2 緒方良行
3 メジディ・シャルク FRA
4 ポール・ジェンフト FRA
5 コリン・ダフィ USA
6 藤井 快
ーーーーー
7 井上祐二
9 土肥圭太
14 高田知尭
23 山口賢人
27 吉田智音
31 川又玲瑛

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