Patagonia Free Wall Kit を編集部が岩場でテスト!

今シーズン発表されたパタゴニアの新製品Free Wall Kit (フリー・ウォール・キット) を、編集部が実際の岩場に持ち込み、マルチピッチでその実力を試した。行動中の動きやすさはもちろん、風を受ける場面やビレイ中の保温、限られたレストでの着脱のしやすさまで含めてチェック。各アイテムを単体で見るのではなく、レイヤリングしたときにどう機能するのかという視点で、その完成度を確かめた。

舞台に選んだのは、群馬県の子持山・獅子岩。初心者向けのルートながら、すっきりと立ち上がる垂直の壁が印象的な岩場だ。
この日は暖かい日差しが差す一方で風が強く、立ち止まると肌寒さを感じるコンディションだった。レイヤリングの選択がそのまま快適さに直結する状況だ。まずはフーディニ・ロック・ジャケットとパンツをハーネスにラッキングし、登攀を開始した。

フリー・ウォール・パンツとフーディニ・ロック・ジャケット

フリー・ウォール・パンツは、アプローチの際、つい普段の感覚でポケットに手を入れようとしてしまう。腰位置にポケットがない設計に、最初は少し戸惑った。
しかし、ひとたび壁に取り付けば、その印象は一変する。左右のポケットは横側に配置されており、スマートフォンなどを入れていても足上げの際に干渉しない。立体裁断による動きやすさと、擦れにも強い生地は、岩に体を預けるような場面でも安心感があった。

これまでもクライミングの定番として使われてきたフーディニだが、クライミングに特化したこのモデルは一味違う。ジッパーはみぞおち付近までに抑えられ、動きに追随するよう裾は長めに設計されている。
とくにフォロービレイのように同じ動作を繰り返す場面では、ウェアのずり上がりが気になることも多い。しかしこのジャケットでは、腕を上げ続けても裾が大きく持ち上がることはなく、動きの中でストレスを感じることはなかった。

フーディニ・ロック・パンツ

そしてフーディニ・ロック・パンツ。これまであまり使う機会のなかったアイテムだけに、その実力が気になるところだ。
今回は比較的やさしいピッチが続き、ビレイでの待ち時間も短かったため、あえて使用する形となった。それでも、このパンツのポテンシャルの高さは十分に感じられた。難易度の高いピッチで長時間ビレイを強いられる場面では、これまで寒さに耐えるしかなかった状況を大きく変えてくれそうだ。
コンパクトにラッキングできるため、リードクライマーでも無理なく携行できるのも魅力のひとつ。さらに、裾に設けられたジッパーによって、限られたスペースのビレイ点でもスムーズに着脱が行える点は、実用面での完成度の高さを感じさせる。

デュラブル・ダウン・パーカ

デュラブル・ダウン・パーカについては、今回は気温が高く、壁には持ち込まなかった。それでもまず印象に残ったのは、生地の強さだ。
狭い壁でのビレイや支点構築では、どうしても肩まわりが岩に擦れてしまい、気づけばダウンに穴が空いているという経験は少なくない。このジャケットは耐久性の高い素材を採用しているだけに、そうした場面でも安心して扱える印象を受けた。
マルチピッチ向けのアイテムではあるが、この耐久性と扱いやすさであれば、普段のショートルートのクライミングでも活躍の場は広そうだ。

限られた装備しか持ち込むことのできない壁の中で、最大限の快適さを引き出すためのラインナップだと感じた。長時間壁にいれば、ハーネスとパンツのわずかな干渉ひとつでも、やがて大きなストレスへと変わっていく。クライミングに特化したこれらのアイテムは、そうした細かな違和感を丁寧に取り除いてくれる。
決して万能な装備ではないかもしれない。それでも、用途を絞り込んだからこそ発揮される性能がある。Free Wall Kitは、壁の中という制限された環境において、その力を確かに感じさせるプロダクトだった。

問合せ先

パタゴニア (Patagonia) Free Wall Kit
https://www.patagonia.jp/free-wall-kit/
0800-8887-447 (フリーコール・通話料無料)
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