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パラクライミング日本選手権大会2019
文=佐藤建/日本パラクライミング協会会長 写真=
2月3日、パラクライミング日本選手権大会2019を明治大学和泉キャンパス総合体育館で開催した。今回で4回目を迎えた大会には過去最高の35名のパラクライマーが全国より集まった。
障害の種別では
AU(アームアンプティ)1 男子2名、AL(レッグアンプティ)1 男子4名、AL2 男子3名
RP(神経障害)3 男子1名、RP3女子1名
B(視覚障害)1 男子8名、B1 女子1名、B2 男子5名、B2女子4名、B3男子5名、B3女子1名
と、障害の種類・程度もさまざまであった。
IFSCが主催するパラクライミングカップ(健常者のワールドカップに相当するもの)では4名以上でカテゴリーが成立するが、国内大会ということで3名以上がカテゴリー成立要件とした。予選2ルートの成績上位者を決勝に進めた。2名以下のカテゴリーの場合、予選突破高度以上の登りができた選手にも決勝に進めさせた。
1位となった選手の決勝での登りは以下の様であった。
AU1 の大沼和彦選手は左手しか使うことができないが、体全体を使ってバランスを取りデッドで1手1手高度を上げていき観客を魅了する登りを見せてくれた。
AL2 男子 結城周平選手は片足だけうまくバランスを取り高度を稼いだ。元世界チャンピオンの小野選手の登りを彷彿させるものがあった。
RP3 男子 高野正選手は左足に乗り込みにくいというハンディだが、素晴らしい登りで決勝ルートを完登した。同じくRP3 女子の吉田桃子選手は昨年の世界選手権2位という実力を遺憾なく発揮し完登。
AL1 男子の大内秀之選手はキャンパシングでテンポよくホールドをつかんで上がっていった。昨年の課題よりも難しいルートを完登し2連覇達成。
B1 男子世界チャンピオンの小林幸一郎選手は確実な登りで最高高度を獲得。ダントツの1位であった。B1 女子の吉木まみ選手はどの選手も苦労していたポイントで落ちてしまい12+という成績。
B1 男子の小林幸一郎選手
B1 男子表彰式
B2 男子元世界チャンピオンの会田祥選手はしなやかな登りで、ゴールまで迫る成績でやはりダントツの1位。B2女子は江尻弓選手と青木宏美選手が予選同率1位で決勝に進出。決勝でも同高度であった。クライミングタイムの差で江尻選手が優勝となる。2人は昨年の世界選手権にも出場し、力が拮抗している。
最高到達点をマークする会田祥選手
B2 男子表彰式
B2 女子表彰式
B3男子も蓑和田一洋選手と星野隼人選手が同高度。予選のカウントバックで蓑和田選手が優勝。B3女子、前岡ミカ選手は予選2本とも完登。決勝もB女子最高高度を獲得。
B3 男子表彰式
今年の大会は昨年よりもましてレベルの上がった大会となった。特にAカテゴリーのレベルの向上には目を見張るものがあった。
この大会の上位者はパラクライミング日本代表選手として、8月に八王子で開かれるパラクライミング世界選手権に出場する。昨年のインスブルック大会で獲得したメダル4個以上の成績を上げられるものと確信している。
この大会を開催するにあたりご協力していただいた明治大学様、ミレー様、マムート様、ノースフェイス様に感謝申し上げたい。誠にありがとうございました。
日本パラクライミング協会会長 佐藤建
パラクライミング日本選手権大会2019 リザルト
B1男子 1 小林幸一郎 2 山崎康興 3 志賀信明
B1女子 1 吉木まみ
B2男子 1 会田 祥 2 濵ノ上文哉 3 藤咲淳一
B2女子 1 江尻 弓 2 青木宏美 3 三尾麻美
B3男子 1 蓑和田一洋 2 星野隼人 3 江尻元洋
B3女子 1 前岡ミカ
AU1男子 1 大沼和彦 2 大谷武彦
AL1男子 1 大内秀之 2 平野良彦 3 畠山直久
AL2男子 1 結城周平 2 狩野草原 3 桑村雅治
RP3男子 1 高野 正
RP3女子 1 吉田桃子