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ビュークスに新ルート。開拓したのは、あのアントワーヌ・ル・メネストレル!
fanatic-climbing.com 訳=羽鎌田学
アントワーヌ・ル・メネストレルは、80年代のフリークライミングを象徴する存在のひとりである。世界初の5.14aの初登。そして最も古い国際ルートセッターであった。マルク・ル・メネストレルの兄でもある。
そのアントワーヌが、彼にとっては崇拝の対象となっている地と言っても決して過言ではないビュークスで新ルートを開拓したという。私たちは、ビュークスの複数のセクターに散りばめられた彼の新作について詳細を聞き出すために、早速彼のもとを訪ねた。
「2019年の年明け早々に、フレンチグレードの3から9までのルートを何本か設定したのです。ただ私自身は、もう8とか9台のグレードのルートを登ることはできないので、まあ今のクライマーたちにバトンを渡すような感じですね。今回設定したルートを自分で完登できないのはとても残念ですが、無理をして舞台に立てなくなっても問題なので(アントワーヌはクライミングとダンスを融合させた舞台を展開している)」
さて次にあげるのが、アントワーヌが今回設定したルートだ。彼のコメント付きで紹介する。
セクター「ロス・ア・ムワル」
Dévalé 6c~8bの一本(!?!)
L’aspicがある左側の壁を足で何回使うかでグレードが大きく変わる。
Démonté 8b?
Dévaléと取付きと終了点は同じ。(Os courtのある)ロス・ア・ムワルと呼ばれる石柱の膨らみを忠実に登る。
セクター「ル・スティックス」
(すべて同セクターの右端に位置する)
Monsieur Seguin 6a
2018年12月に亡くなったホテル「オーベルジュ・デ・セギャン」の初代オーナーであり、またプロバンス語作家でもあったピエール・ペスメース氏に捧げるため、彼の名を頂いた一本。
La cabre d’Or 6b
プロバンスの伝説的人物に捧げた一本と終了点を異にするバリエーション。
Les 3 chênes 3a
途中に生えている3本の木にプロテクションを取るために、スリング3本持参のこと。
L’emprise 8b/c?
ポケットを使った長いルート。8b/cのTotem Zoulouと一部ラインを共有する。そのTotem Zoulouはカンタン・シャスタニェによって初登されているが、彼がどのようなラインを登ったのかは不明。リボルトのために情報求む。
セクター「ブー・デュ・モンド」
Gratton au bord du gouffre d’ange 8b
7cのTchao Challenge、Gratton Labeurの最後のパート、そしてPromenade au Bord du Gouffreのやはり最後のパートを結ぶ。
Il était une voieロングバージョン 9a?
1992年に私が登った8cのIl était une voieから上部の前傾壁を続けて登るルート。
Le Maximum 8c+~9a?
Les ménestrels(8b?)と、Chouca、Minimum、またはHierogriffeの最上部をリンクしたルート。