Top of the Top 高田知尭リードでも優勝、女子は野口の貫録勝ち

文=北山 真  写真=小澤信太

2020年11月1日、Top of the Top のリード競技が愛媛県の石鎚クライミングパークSAIJOで開催された。出場は日本代表選手の男子19名、女子14名のみ。この大会は日本代表に選ばれたものの、コロナ禍によって国際大会に出場できない選手のために行われたもの。無観客で行われた。

予選はなくセミファイナルから。女子は久米乃ノ華、谷井菜月、平野夏海、 野口啓代の4名が完登。以下高度で8名がファイナルに進んだ。

男子は中間部のランジパートを含む、全体に厳しいもので完登者はなし。ボルダーで優勝し波に乗る高田知尭が頭ひとつ上に行ったものの、ほかは大量9名が同じ個所でフォール。ファイナルは10名で行われることとなった。このセミファイナル最後にとんでもないことが起きた。昨年のワールドカップでも優勝した、今回の本命西田秀聖が取り付き一手でフォールしたのだ。ランジ気味の出だしは、セッターの意図としてはちょっとしたアクセントのつもりだったのだろうが、そこでまさか西田がつまずくことになるとは……。

女子ファイナルは結果きれいに勝負がつき、ノーミスでの完登を決めた野口が優勝した。谷井は珍しく最終パート手前で手順を間違えてしまった。最高のパフォーマンスを見せたのがルーキーの久米、もはや落ちるかと思われた部分からなんと5,6手進み最終ホールドをタッチした。まさにコンペ向きの底力を持っているといえよう。平野もリーチのハンデをものともせず、同じく最終ホールドタッチまで持ちみ、タイムで久米に勝り2位となった。


完璧な登りでファイナルを完登する野口

男子ファイナルは、最上部までは形状こそ複雑ながら比較的登りやすい。そして最後に怒涛のピンチ連続が待ち受ける。最終ホールド手前で5名がフォール、個人的には樋口のみがホールドしたように見えたが……。まあこれが1位決定にかかわるとしたら大問題だが、最後に登場した高田が、そのモヤモヤを吹き飛ばした。まったく無駄のない、力の抜けた登りで堂々と完登したのだった。


ボルダーに続きリードでも優勝した高田

このメンバーでのボルダー&リードのダブル優勝。もはやベテランと呼ばれても良い長いキャリアを経て、ついに頂点に立った高田。いくら賞賛しても、すぎることはないであろう。

 

女子

1 野口 啓代 TOP
2 平野 夏海 34 + 05’01
3 久米乃ノ華 34 + 05’45
4 谷井 菜月 31 +
5 阿部 桃子 31 +
6 伊藤ふたば 29 +
7 中川 瑠 26 +
8 小武 芽生 22 +

 

男子

1 高田 知尭 TOP
2 楢﨑 明智 32 +
3 樋口 純裕 32 + 03’33
4 緒方 良行 32 + 04’14
5 北江 優弥 32 +
5 村下 善乙 32 +
7 楢﨑 智亜 31
8 百合草碧皇 22 +
9 小西 桂 28 +
10 杉本 怜 25 +

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