[訃報]20世紀のクライミングレジェンド ダグ・スコット

英国の登山家で20世紀のクライミングレジェンド、ダグ・スコット(79歳)が癌で闘病中、なくなった。

8000m峰における初期のバリエーション登山であるエベレスト南西壁(1975年)では山頂直下でのオープンビバーク、1977年バインターブラック(オーガ)の初登時には下降中に両足首を骨折しベースまで這い下りて帰還するなど、その冒険的な登攀はドラマチックなエピソードとともに語り継がれてきた。

80年代以降は、包囲法やフィックスロープなど大遠征隊のスタイルに異を唱え、ヒマラヤやカラコルムで軽量/速攻の登攀を実践、アルパインスタイルの急進派として現在のヒマラヤにおけるスタンダードをつくった。

日本人クライマーにも絶大な影響を与えた。邦訳されたスコットの著書には『ビッグ・ウォール・クライミング』や『ヒマラヤン・クライマー』などがある。


ダグ・スコット(エベレスト遠征時の1975年)。『ヒマラヤン・クライマー』のカバー袖より


ヒマラヤ、カラコラムなどのアジアの高所への遠征はじつに45回にも及んだ

 

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