倉上慶大、三峰・シルクハットのプロジェクトに成功

倉上慶大が2021年2月27日、埼玉県秩父市の三峰ボルダー・シルクハットの長期に渡るプロジェクトに成功、三輪車(五段)とした。トライは6日ほど(今シーズンの日数、過去に多少のトライあり)。以下は倉上によるコメント。

今シーズントライしていた三峰のシルクハット岩にあるプロジェクトが登れました。エリアに詳しい方たちにも確認をとっているので初登だと思います。課題名は「三輪車」。エリア名の「三峰」と同岩にある課題「一輪車」、また核心のサイファームーブ(と少しのユーモア)を掛けて名付けました。登れてみると、グレードはやさしめの五段くらいかなぁと思います。同じようなランジ核心の課題との比較で、小川山の「冬の日」よりも2グレード以上、豊田の「アガルタ」よりも1グレードほど難しいイメージです。私のムーブでは手数はそれなりにあり、前半は繊細な動きが要求され、後半はダイナミックな動きが要求される静・動の躍動あるラインでした。

三峰のメインエリアの最も目立つ場所にあるラインということもあり、多くのクライマーにトライされてきたであろうにも関わらず登られていなかったという事実は、トライ中も何度も「不可能なんじゃ……」という考えが頭をよぎりました。このプロセスは再登とは全く異なり、プロジェクトと向かう時間では様々な恐れや葛藤が入り乱れます。それでも信じ、通い詰めればラインは見えてくるものだし、可能性は拓けてくる。

昨シーズンのマラ岩「Pass it on」に続き、また一つ、貴重な経験をすることができました。そして、今シーズンはボルダー、ルートクライミングの両方をバランスよくこなせるようになってきたのがとても嬉しい。この経験がビッグウォールやトラッドのプロジェクトにどう活きてくるか、今から楽しみです。

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