リードワールドカップ開幕戦インスブルック
野口啓代3位、樋口純裕4位、アダム失速


インスブルックの会場全景(写真はパラクライミング大会)

文=北山 真 写真=IFSC

2021年6月23日、25日、オーストリア・インスブルックでリードワールドカップの開幕戦が行なわれた。

23日の予選、女子では野口啓代、野中生萌、伊藤ふたば、阿部桃子の4名が、男子では楢﨑智亜、百合草碧皇、藤井快、吉田智音、樋口純裕、原田海の6名が予選通過した。

ボルダリング予選が24日に行われ、翌25日には男女セミファイナルが同時進行で行われた。本命ヤーニャ・ガーンブレットが最高到達点をマーク。ラウラ・ロゴラがその半手下。野口、野中が7位、8位で通過。残念ながら伊藤は9位でファイナル進出ならず。

男子セミファイナルでは本命アダム・オンドラが最高到達点。6名の実力者がが出場した日本チーム。ファイナルの半数は獲得するのではと期待されたが、上部の遠いポケットを取りに行くパートでことごとく失敗。楢﨑、百合草、藤井がここで姿を消した。唯一人ここを切り抜けた樋口のみがファイナル進出。

女子ファイナルは下部と中間部にダイノが用意されていた。野中は中間部のダイノに失敗する。野口はここを切り抜け上部に達した。野口の暫定1位が続いたが、6番手のブルック・ラブトゥが渾身の登りで最終ホールド一手前に達する。あと2名はラウラ・ロゴラとヤーニャ。野口の4位がほぼ確定したかに見えた。しかしなんとラウラが下部のダイノに失敗。最後に登場したヤーニャが見事完登で締めくくり、野口は3位となった。

男子ファイナルはいきなり1番手のステファノ・ギゾルフィが最上部のトラバースパートに達する。完登続出かと思われたがそんなことはなく、樋口も含めほとんどの選手がトラバース手前で落ちる。7番手のヤコブ・シューベルトが、ステファノの半手先を行く。そして最後にアダムが登場。男女とも1名が完登という納得の結果を誰しも思い描いたであろう。ところが大波乱が起きた。まだ中間部とも言えないパートでアダムのヒールフックがスリップ。あっけなくフォールしてしまったのだ。まさかの最下位。残る7名の順位が全員ひとつ上がるという結果となった。


ワールドカップ最後の表彰台に立つ野口啓代

女子

1 ヤーニャ・ガーンブレット SLO
2 ブルック・ラブトゥ USA
3 野口啓代
4 ヴィクトリア・メシュコヴァ RUS
5 野中生萌
6 ヴィタ・ルーカン SLO
7 ラウラ・ロゴラ ITA
8 ルカ・ラコヴェック SLO
ーー
9 伊藤ふたば
13 阿部桃子
28 柿崎未羽

男子

1 ヤコブ・シューベルト AUT
2 ステファノ・ギゾルフィ ITA
3 ザシャ・レーマン SUI
4 樋口純裕
5 アルベルト・ギネス・ロペス ESP
6 アレックス・メゴス GER
7 ルーカ・ポトーチャル SLO
8 アダム・オンドラ CZE
ーー
9 楢﨑智亜
10 百合草碧皇
11 藤井 快
20 吉田智音
24 原田 海
41 天笠颯太
80 田中修太

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