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アディダス・ファイブテン 主力4モデルを徹底比較


構成・文=佐川史佳
写真=亀田正人
協力=ボルダリングサイト ビースリー春日部

2018年、拠点を米国からヨーロッパに移したファイブテンは、長年の靴作りで培ったノウハウに、最新技術を詰め込んだ新モデルを登場させ、さらに進化している。

シューズに求められるのは、ラバーの質とアッパーの作り。米国時代、前者に関しては文句の言いようがないほど質の高さを示していたが、アッパーに関しては評価の分かれるところだった。

現在はアッパーの構造や素材を見直すことで安定した製品をリリースできるように。実際、今回の4モデルはベストなサイズがすべて同じで、安定した品質を感じられた。もちろん、シューズによって緩めを履いたほうがいいものやタイトなほうがいいものなど、好みや履き方は異なるはずだが、サイズ感は統一されているに越したことはない。

ラバーについては、かつてのステルスC4が柔らかく粘り気のあるものだったのに対し、現在は、少々エッジングに強いものに変わった感じがする。これはミッドソールとの相乗効果もあるが、特にクロウとアレオンは“点”で立つのが得意なタイプに仕上がっている。

これには、開発にかかわっているフレッド・ニコルの影響もあるのだろうか。長くクライミングしている人には言わずもがなだが、ニコルはハードなボルダリングを牽引し続けてきたクライマーだ。ドリームタイム(V15)など、数々の初登課題を持つ彼が監修しているのだから、岩での使い勝手は折り紙つき。これにインドアのハリボテなどへの対応力を足したのが、現在のステルスC4というところだろう。

ハイアングル

信頼性の高い定番モデルが、長所はそのままに現在のトレンドに合わせて進化した。トウボックスとヒールカップのソールを分けたセパレートタイプになり、柔らかく自由度の高い履き心地が特徴。ダウントウはしているが、“点立ち”だけでなく、ミッドソールを潰すように“面”でも立てて、爪先が持ち上げやすくトウフックもしやすい。アッパーにシンセティック(合成皮革)を用いて、軽量で伸びの少ない仕様に。「少しでも軽くしたい」というクライマーの要望に応えてくれる。

税込価格=1万9800円 ラバー=ステルスC4(ヒールのみHFラバー)

アシム

ほぼストレートでフラットな形状なので、いつまでも履いていられる。着脱しやすい2本のクロージャーは互い違いに締まり、足をしっかりホールド。剛性の高いミッドソールと爪先から踵まで一体のラバーは足裏のサポートに優れ、アウトドアのクライミングにもフィットする。ローグの後継モデルとして発売され、快適性を重視した初・中級者向けだが、ラバーは他モデルと同じステルスC4.しっかりした粘りがあり、“面”でハリボテを捉えることができるので、上級者がジムでトレーニングする場合にも使える。

価格=オープン ラバー=ステルスC4

クロウ

緩やかにターンイン&ダウントウした形状によって、違和感なく親指に力が集中する。しっかりしたミッドソールが内蔵され、点でホールドを捉えられる設計である一方で、アッパーの柔らかさからスメアリングもできる。インドア、アウトドア問わずオールラウンドに使える一足だ。優しく甲を包むニット素材により、クライミングシューズに慣れていない人でも履ける快適性があり、ビギナーシューズに物足りなさを感じている人の2足目としてもおすすめだ。

税込価格=2万900円 ラバー=ステルスC4(ヒールのみHFラバー)

アレオン

クローと同じくニット素材のタンは伸縮性に富み、タイトなサイズでも着脱しやすく、履き心地も最高。指の付け根は広めながら、爪先(親指)に向けてシャープになっており、点で立ったときに性能を発揮する。鋭いダウントウと高反発のミッドソールは、足ブラになりたくないギリギリの場面で真価を発揮。特にアウトドアでのハードなルートやボルダリングでは助かるだろう。また、体重のある人でもしっかり立ち込めるという利点も。ヒールカップは細めで、小ぶり。

税込価格=2万900円 ラバー=ステルスC4

downturned toes | ダウントウ

最も急なのはアレオン。土踏まずからの下がり具合に加え、ミッドソールの形状により爪先に向けて急なアーチを描く。遠いホールドを取るときギリギリまでエッジを捉え、足ブラを防いでくれるデザインだ。

ハイアングルとクロウは、点と面の両方でバランスよく立てる爪先の形状と硬さ。弱点のないシューズだけに、迷ったらこの2足から足に合ったモデルを選ぶことをおすすめする。

初級者から履けるアシムはほぼフラットだが、使い込んでも爪先が反り上がることのない設計になっており、案外、難しい課題でも使える。インドアのハリボテから岩場の小さいフットホールドまでこなせるので、フラットなシューズが好きな人はレベルに関係なく履いてみるといい。

Soft  ← ダウントウ →  Hard
アシム クロウ ハイアングル アレオン

 

twisted inwards | ターンイン

アレオンはターンインがキツく、とにかく第1指(いわゆる親指)に力が集中する。リードクライミングや岩場では、このタイプは使い勝手がよく、特に下半身の粘りが強いクライマーにはフィットするだろう。

クロウも一見すると鋭くカーブしているが、足を入れると思いのほか素直で快適だ。登っても力が入るポイントは中心に近い感覚で、爪先にかかるストレスは少ない。ただし、先端はかなり細く、ハイアングルに比べるとピンポイントでホールドを捉えるタイプであり、どちらかといえばエッジングならクロウ、スメアリングならハイアングルに軍配が上がるようだ。

そして、注目すべきはアシム。初心者向けシューズのような雰囲気を醸しているわりに、しっかりターンインしており、「本当のところ、このシューズは何をめざしているのだろうか」と悩んでしまうほど、シビアなホールドに立てる。

Soft  ← ターンイン →  Hard
アシム クロウ ハイアングル アレオン

 

sole | ソールの硬さ

ラバーの厚さやミッドソールの素材と形状、アッパーの剛性、そして履く人の体重などが合わさった感触が“硬さ”の違いとなる。

爪先から踵までソールが一体のアシムは、ラバーの厚みとも相まって、もったりとした硬さを感じる。傾斜のない長いルートを登るには、足裏の力をサポートしてくれて助かる。

アレオンとクロウは、ラバーの厚みとアッパーの剛性という点では同程度だが、ミッドソールはアレオンのほうが少し硬いようだ。

最も柔らかく感じたのはハイアングル。ミッドソールの柔らかさに加えて、私の場合はボリュームのあるアッパーから空間に余裕があることも影響しているのだろう。肉厚な足の持ち主が履くと感触は異なるかもしれない。

Soft  ← ソールの硬さ →  Hard
ハイアングル クロウ アレオン アシム

 

foot shape | 足形

同サイズの4人でフィット感のみに絞って履き比べてみたところ、偶然にも好みが分かれた。

下の図は上から見た足の形のみを説明しているが、さらに詳しく書くと、アシムはターンインが緩めで先端が尖っていないため、爪先が四角くても痛みが少なく、この点はハイアングルも同様。また、どちらも他2モデルと比べるとヒールカップが大ぶりで、踵の大きい人でもフィットする。

クロウは指の付け根付近から先端にかけて鋭くカーブしており、第1指が長く突き出ている人に合っていた。

最もターンインが激しいアレオンだが、第2指が突き出た人にフィット。おそらくだが、トウボックスに高さがあり、曲がった指がうまく収納されているのだと推測した(サイズはすべてUS7で確認)。


それぞれのシューズにフィットした足の形はこれ!


イラストから自分の足に似た形を探してみよう

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