「歩いて運ぶ」に 焦点を絞った アークテリクスの クライミングパック

文=小川郁代 写真=中村英史

小さなハーネスメーカーからスタートしたアークテリクスにとって、一大アウトドアブランドに成長した今も、クライミングは最も重要なカテゴリーの一つだ。

「コンシール」は、アプローチシューズやコットン混紡のパンツなど、用途を明確に「ロッククライミング」に絞り込んだアイテムをそろえるシリーズ。ここに新作として、バックパックがラインナップされた。

アークテリクスのクライミングパックには「アルファ FL」という人気モデルがあるが、ファスト&ライトをコンセプトに、アルパインクライミングまでを視野に入れた「アルファ FL」が、「登る」ためのクライミングパックであるのに対し、「コンシール 40 バックパック」は、「運ぶ」ためのもの。「背負って歩く」機能を重視したホールバッグといった位置づけだ。

フラットな底面をもつボックス状の形。ボディと底面はパッド入りで厚みがあるため、自然と形が整ってすんなりと自立する。荷物へのアクセスは上部から。斜めに配されたファスナーで大きく開口し、底にあるものにもスムーズにアクセスできる。

内側に明るいカラーが使われているので、こまごまとした荷物も見失いにくい。横にして使うダッフルバッグタイプに比べてスペースをとらず、狭い取付でも使い勝手がよさそうだ。

素材は、690Dのコーデュラナイロン。蓋の部分は液晶ポリマーグリッドで、さらに耐摩耗性を高めている。蓋の上部と裏側にはファスナー付き大型のポケット。フロントと背面側の大型グラブハンドルは、両手で持ち上げて短い移動をするためのベストポジションに配置されている。

ショルダーハーネスの付け根部分にあるもう一つのハンドルは、背負い上げるときの助けになるだろう。左右4カ所にあるコンプレッションベルトは、取り外しが可能。荷物の量に合わせてスムーズにボリューム調整ができる。

最大の特徴といえるのは、背負い心地に関わる機能の充実度だ。背面パネルに内蔵されたアルミステイが、パック全体に剛性を与え荷重を背中全体に分散させる。

ヒップベルトとショルダーハーネスは、どちらも高密度フォーム入り。厚み、サイズや調整機能、腰の動きに自在に対応するよう、ヒップハーネスを中央で斜めにボディに付ける仕様など、重い荷物を楽に背負うためのノウハウがフル装備されている。

一方で、一般的なホールバッグのように、引き上げ時にショルダーハーネスなどを収納するシステムはない。形状が円柱形でないことからもわかるように、引き上げのためではなく、取付までの道のりを楽に移動することに、焦点を絞っている。

ボティがパッド入りなのも、大切な荷物を保護すると同時に、アプローチの間、ロープの結び目や不ぞろいな形をしたギアの存在を背中で感じ続けるストレスを、少しでも和らげることが目的だ。

同シリーズに、容量違いの55ℓモデルと、マルチピッチクライミング用の15ℓモデルもある。40ℓ、55ℓモデルの内部には、アークテリクスらしい演出が用意されているのだが、それは実際に手に取った人へのサプライズとして、ここで紹介するのは控えておこう。

コンシール 40 バックパック

 

税込価格: 2万7500円
カラー: 1色 
重量: 1575g
アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメアスポーツジャパン
arcteryx.jp