最上級をリサイクル素材で実現する アークテリクスのサステナブルな挑戦

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文=小川郁代

2015年に国連サミットが提唱した「SDGs」が、 目標達成のゴールと定めた2030年までの折り返しを過ぎ、アウトドアアパレルの世界でも「サス テナブルであること」が、製品づくりの標準として定着してきている。各ブランドがさまざまなアプローチで、環境負荷の少ない素材や製法の採用に取り組んでいるが、すべての製品でそれを実現 するのは、想像以上に難しいことのようだ。

アークテリクスの最高峰にして、ブランドを象徴する存在でもある「アルファ SV ジャケット」 が、今期新たなフェーズに突入する。前回のアップデートで、それまで使用していた「GORE-TEX PRO」素材を、油汚れによる剥離耐性を飛躍的に 向上させた「GORE-TEX PRO Most Rugged」に変更していたが、3年の年月を経た今、「Most Rugged」 の表地に使用する100デニールのナイロン素材を、100%リサイクル素材に変更した。

リサイクル素材の採用は、もはや珍しいトピックではないが、もっともシビアな環境で使うことを想定した ハイエンドモデルが対象となると、少し事情が違ってくる。リサイクル素材は、未使用原料のみを使うバー ジン素材と比較すると、安定性や耐久性などの機能面で劣る傾向にある。製品に採用するには、これを克服することが必須条件だが、ただでさえ生産時の手間や工程が増えるうえに、技術開発や設備投資のための人、資金、時間などの負担は、環境負荷と反比例して増える一方だ。ましてや、過酷なコンディションで責任を担う「アルファ SV」のような製品に、環境を理由にわずかでもクオリティを落とすことが、許されるはずもない。  

実現までには、数々のトライ&エラーと長い時間が費やされた。製品の製造工程で発生する端材を再加工することで、素材のDNAを受け継いだまま廃棄を減らすというリサイクルの手法が、ゴア社との共同研究によって実を結んだ。

ラボでの実験結果で、従来製品と同等の耐久性が証明されことはもちろん、既存のアルファ SVを知り尽くし た、多くのアンバサダーやアスリートたちのフィ ードバックでも納得の結果を得たことで、世に出る準備がすべて整った。

「アルファ SV」の最上級 の耐久性を、リサイクル素材で再現することが、 ほかの製品よりもはるかに厳しいことを承知で、 あえて挑んだこの挑戦。アークテリクスの素材開発に対する自信と同時に、サステナビリティをけん引するブランドとしての、責任と意気込みが感じられる。

デザインや仕様はこれまでとほぼ同じだが、袖口と裾の内側に使用されていた別素材が、ボディと同じ素材に変更された。

生地同士をそのまま圧 着テープで貼り合わせる仕様から、ステッチを施したうえで圧着加工するように変更したことで、 針孔に圧着材が溶け込むように浸透し、さらに耐久性を高めている。極細の圧着テープが、寸分のずれもない幅で2枚の生地を張り合わせたさまは、どうやって人の手がこれを成しえるのか、想像が及ばないほどに美しい。一度目にしておくべ き価値があるだろう。

カラーバリエーションも新たに展開されるというから、しばらくは発売を待つもどかしさと闘うことになりそうだ。

アルファ SV ジャケット
価格: 12万1000円 
カラー: 5色 
重量: 485g(M)
問い合わせ先: アークテリクス カスタマーサービス センター/アメアスポーツ ジャパン
arcteryx.jp