傷んだカムの寿命が復活する キャメロットのスリングが修理可能に

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文=吉澤英晃 写真=中村英史

国内でブラックダイヤモンドの輸入代理店を務めるロストアローが、カムの定番シリーズ「キャメロット」のスリング修理の受付を開始した。

スリングはカムの強度や安全性の根幹に関わる重要なパーツであるがために、これまでは安全保証の観点から修理に対応できなかった。しかし、ブラックダイヤモンドの本社があるアメリカでは以前からスリング部分のリペアサービスが行なわれており、今回は本国での修理が国内でも受付可能になった形だ。対象は過去に販売してきたキャメロットシリーズの全モデルで、修理に出すと素材もカラーも同様の新しいスリングが取り付けられて戻ってくる。ユーザーが負担する費用はカム1個につき3300円(ロストアロー/埼玉への送料のみ別途必要)、修理はアメリカにあるブラックダイヤモンド本社で行なわれるため、期間は2~5カ月を要する。

ちなみに、クライミングギアはどんなに丁寧に扱ってもいつかは寿命が訪れてしまう消耗品だ。現にブラックダイヤモンドは、スリングに代表される縫製製品の寿命を「最大10年」と定めて取扱説明書に明記している。一方、カラビナなどの金属製品の寿命はそれよりも長く、「長期にわたり寿命が保たれます」と書かれているだけで、具体的な年数は記載がない。

ここで問題になるのがカムの寿命だ。ご存じのとおり、カムには金属製品と縫製製品が混在している。取扱説明書に従えばスリングは10年で寿命を迎えることになるが、金属製のパーツは摩耗が見られずいまだに現役という状態は珍しくない。結果、スリングに認められるダメージには目をつむり、年季の入ったカムを何年も使い続けている、そんな状況に身に覚えはないだろうか。

さらに、縫製製品の寿命である「最大10年」という記載にも注意が必要だ。なぜなら、スリングは受けたダメージが多ければ多いほど、10年より早いタイミングで寿命を迎えてしまう。これは扱い方や使用頻度に左右されるので、各ユーザーがそれぞれ安全性を見極める必要がある。

では、どんな傷み具合が修理を検討するサインになるのか。ロストアローでブラックダイヤモンドの営業を担当する小野寺さんは「毛羽立ちがある、色が薄くなり褪色している、感触が硬いもしくは柔らかい場合には修理が必要です」と説明する。

長らくキャメロットを使い続けているクライマーには、ぜひこの機会にスリングの傷み具合をチェックしてもらいたい。明らかな摩耗、変色、感触の変化が見られる場合は、修理が必要なレッドフラッグ。クライミングのシーズンオフを利用して傷んだスリングを新調しよう。

スリングが新しくなれば、カムの寿命は復活する。いつ切れるかもしれないボロボロのスリングに命を預けてラインの核心に突っ込む、そんな危うい状況から脱却できるメリットは大きい。

キャメロットの修理サービス

対象モデル:キャメロットシリーズ全モデル
修理費用:3300円
修理期間:2~5カ月(修理を依頼するタイミングによる)
問い合わせ先: ロストアロー「 キャメロットの修理」