冬季登攀向けブーツがリューアル! 雪山用登山靴も用途に応じて選ぶ時代に

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文=吉澤英晃 写真=中村英史

山道具の進化は細分化の一途をたどっている。用途が変われば道具に求められる機能も異なり、ユーザーはより専門的な道具を使うことで快適性やパフォーマンスの向上といったメリットを得ることができるというわけだ。  

では雪山用登山靴はどうかというと、ご多分に漏れずいくつかのルートやフィールドに適応する形で細分化されつつある。系統は主に縦走、登攀、高所登山の3つに分かれ、歩きがメインであれば縦走用、クライミング要素の強いルートには登攀用といった具合に、各々の山行で想定される使用用途に適した靴を手に入れるのが望ましい。その点、イタリアの登山靴メーカー、スカルパの「ファントムテックHD」は、登攀用と縦走用の中間に位置する雪山用登山靴といえる。

まず、登攀シーンにおいては片足800g(EU42)という軽さが強力な武器になり、これによって軽快な足上げが可能になる。軽さゆえに足先の寒さが心配になるかもしれないが、ファントムテックHDは構造上保温性に有利なビルトインゲイターブーツとしては珍しく、100g/㎡のプリマロフトを封入して保温性を確保している。足首周りの柔軟性も特徴で、雪山用登山靴とは 思えないほど可動域が広いため、細かな足場への立ち込みやハイステップを行ないやすい。

さらに、前足部を両側からランドラバーで包み込むことで、シューズ内で起こる足の横ブレを軽減。靴との一体感が生まれてバランスがよくなるだけでなく、意図する動きをシューズに伝えて繊細なムーブを繰り出しやすくなっている。  

歩行性に関しては、ミッドソールのクッション性や反り上がる爪先の形状などにより、縦走用の靴と同等と考えて問題ない。また、今季のリニュ ーアルで外付けのゲイターを固定するループとビルトインゲイターの履き口を絞るドローコードが追加されたことから、使い勝手が向上した。  

登攀を伴う冬季のアクティビティやルートに興味があるユーザーは、ファントムテックHDの履き心地を試してみてはいかがだろう。足を入れた先には、さまざまなメリットを得られる可能性が秘められている。

鈴木雄大’sインプレッション

新しくなったファントムテックHDを、北海道内にあるアルパイン・アイス・ミックスクライミングエリア、八ヶ岳のクライミングルートなどで使用しました。国内であれば冬季の登攀ルート全般におすすめでき、軽量かつ保温性が 高いので一般的な雪山縦走でも活躍すると思います。  

これまでに履いてきたシングルブーツと比較して、登攀シーンや緩傾斜の歩きでも軽量性からくる足上げのよさを実感しました。また、シューレースの露出しないゲイターブーツは、長時間行動してもアッパーが凍結することはありませんでした。

何泊もする長期山行では乾いた靴を履き続けられることが重要です。

スカルパ ファントムテック HD
価格:
 11万6600円
カラー: ブラック/ブライトオレンジ
重量: 800g(EU42/片足)
サイズ: EU37~48(23.0~32.0㎝相当)
問合せ先: ロストアロー www.lostarrow.co.jp