ビレイディバイス【マムート】スマート

ビギナーがビレイを覚える場合、最初のビレイディバイスはチューブタイプを選び、ビレイの基本動作を正しく行なえるようになるべきです。同社なら「クラッグライトビレイ」のようなシンプルで制動力が高いモデルが、9mm台のロープでも安心して使えます。

ただ、岩場は足場がわるく、ビギナーがビレイに集中しづらい環境です。ジムに比べると中間支点が少なくてロープにかかる摩擦が少なく、フォールする距離が長いため、クライマーが落ちたときにロープが手元から流れることもあります。

「スマート」は急にロープが引かれるとロックするブレーキアシスト機能を備えています。使用方法は一般的チューブタイプとあまり変わりませんが、突然、クライマーが落ちたときに自動でロープにブレーキがかかり、制動をアシストしてくれます。

また、クライマーとの体重さがあるとビレイヤーは引きずられたり、壁にぶつかったりしてビレイがおろそかになりがち。思わず手を離してしまった!なんて万一のときのためにも、体重差があるパートナーがいるクライマーにおすすめしたいアイテムです。

*この製品はオートビレイ器ではありません。ロープの径などによっては、流れることもあります。

リードクライミングのビレイ時はグリップの先端に親指をかけ、矢印方向にロープを繰り出すだけ。ビレイ時、絶対に離してはならない“下の手”は、動かす必要がなく安心
ロアーダウンのとき、片手はグリップの先端を持ったまま、もう一方の手は下のロープを持ち、一気にロープが出ないようにしっかり抑えながら、グリップを少し持ち上げるだけ
環付きカラビナは同社の「クラッグスマートHMS」がベストマッチ。カラビナがビレイ中に回転しないようロックでき、カラビナの強度が一番出る角度を維持
トップロープのビレイ、またはリードのビレイ時にロープを手繰るときは、チューブタイプのビレイディバイスと同様の使い方でOK

 

取材時は、ロープが新品で外皮が滑りやすかったせいか少し流れる感じがしましたが、あくまでブレーキアシストだと割り切って正しいビレイをしていれば問題ありません。ブレーキアシストは万一のときの備えだと思って、しっかりロープを持っていればいいのです。

ただ、少々癖があり、ビギナーが岩場でいきなり使うのは避けたほうがいいかもしれません。まずはジムで練習してから岩場に持ち込むこと。操作に慣れると、非常に便利で優秀なデバイスです。懸垂下降をするのであれば、ダブルロープが使える「スマートアルパイン」を選びましょう。

*問合せ先
マムートジャパン TEL03-5366-0587