三倉岳
フラットソールによるフリークライミングを持ち込んだのは林泰英氏だった。1976年、ヨセミテで刺激を受けた林氏は、それからの8年間、クラック主体のフリールートの開拓と後進の指導に心血を注いだ。
開拓は、当然グラウンドアップによるものとなり、ヘキセントリックがセットできない箇所では、ジャミングで耐えながらハーケンを片手で差し込み、必死に打ち込んだ、という逸話がある。
その後、多くのフェイスルートが拓かれて現在に至っているが、フレンズ、ナッツ80類の利用がクライミングに役立つという考えとともに、自然の景観に反するボルトはあまり目だたぬように配慮している。
なお、現在、クライミングをするうえでの地元とのトラブルは全く発生していないが、樹木への落書きや、やたらと木を伐る人、終了点の残置物を持って帰る人に困っている。
この岩場の特徴
初心者・
中級者OKボルダリング
リード
(ボルト)リード
(クラック)マルチピッチ
地域 | 中国 | エリア | 広島県 |
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区域 | 広島 | ||
100岩場N0. | 80 | ||
シーズン | 通年。ベストシーズンは4~5月と9~11月 | ||
岩質 | 花崗岩 | 傾斜 | 70~90度 |
ルート数 | 170本以上 | ||
駐車場GPS | 34.308624,132.159314 | ||
場所 | 広島県大竹市 | ||
アクセス |
国道2号線バイパスを大竹方面に走り、廿日市の宮内交差点を右折して佐伯町方面へ。友和小学校をすぎ、河津原の信号を左折して曲がりくねった道を行くと栗谷に出る。三倉岳の案内板のところで右手に入り、しばらく行くと三倉岳キャンプ場に着く。 JR山陽本線玖波駅より栗谷行バスがあるが、本数が少なく不便。 |
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アクセスマップ | |||
宿泊・ キャンプ地など |
三倉岳キャンプ場(無料)を利用。事前に三倉岳休憩所☎0827‐56‐066(09:00~17:00、水曜休)に届けること。 入浴は小瀬川温泉(丸忠)☎0829‐72‐1311など。終業時刻が早いので注意。 |
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その他 |
三倉岳は、県内では特異な山容であり、県立自然公園の指定を受けて登山道やキャンプ場も整備されている。一回りが3時間程度という気軽さもあって、年間を通じて家族連れハイキングやキャンプの利用者が絶えない。 岩は、やや粒子の粗い花崗岩で、フィンガーからチムニーまでのクラックと垂直までのフェイスがほとんどで、前傾壁は少ない。ルート総数は170本を越えているが、すでに自然に還りつつあるものもある。 注意 クラックでなくともルートの途中の穴などにナチュプロがセットできる場合、ボルトが打たれていないルートも多いので注意。ボルト主体のルートの出現により、ここでも半ズボンにノースリーブ、ときには上半身裸でトライする姿も見られるようになったが、そんなルートはごく一部である。 アプローチでマムシに遭うこともあり、たまにルート途中でスズメバチの巣に遭うこともあるが、事前に分かれば取付に注意看板がかけてある。もしハチの巣を見つけたら、ログハウスの管理人に連絡していただきたい(9時~17時)。 ルートの終了点は、ほとんどが立木かリングになっているので、スリングや予備のカラビナなどを忘れずに携行されたい。ボルトは岩の色にペイントされ、終了点はなるべく目だたない位置に設置されている。 ギアはカム類、ナッツ類の各1セットは必携で、ルートも極力それを使うように設定されている。マルチピッチにトライする場合は、肩からたすき掛けできる長さのスリングを3本以上は加えてほしい。既成ルートでのボルトの打ち足しは、絶対に行ってはならないし、新ルートの開拓でもその使用には慎重であっていただきたい。 |
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公衆トイレ | 無 | ||
掲載書籍 | 中国・四国・九州 |