赤岩
1983年は北海道のフリークライミング史において記念すべき年となった。6月に講習会の講師として赤岩を訪れた中山芳郎は、東のチムニー岩の大ハングをフリーで登り「中山ハング」5.10cとした。
これに触発された地元の大波久男は11月、トビラ岩の側面ダイレクトルートをフリー化、「オレンジ」5.11aとする。北海道初の5.11ルートの誕生である。大波は翌年にもクリスタルフェースに「ピリカメノコ」を拓く。これは当初5.11aと発表されたが、後日5.11cあることが判明する。
1985年ごろから活動し始めたひとりのクライマーがその後北海道、いや国内におけるハードルート開拓の第一人者として、最難ルートの記録を次々と塗り変えていくことになる。その人、吉田和正は神居岩、石垣山、そして赤岩青厳峡と活動の舞台を変えていくが、1989年、この赤岩にも「石狩湾低気圧」5.13aを拓いている。
その後赤岩の記録はしばらく途切れることになるが、1999年やはり吉田が「翼あるもの」5.13d/14aを初登。ほか数ルートも発表され、まだこの岩場にも可能性が残っていることが確認された。
このように、年を追って高いグレイドのルートが充実してきた赤岩だが、従来のゲレンデとしての役割を捨てたわけではない。それどころか、現在でも北海道で最も多くの幅広いジャンルのクライマーを迎える岩場がこの赤岩なのだ。
この岩場の特徴
初心者・
中級者OKボルダリング
リード
(ボルト)リード
(クラック)マルチピッチ
トップロープ
限定あり
地域 | 北海道 | エリア | 道南 |
---|---|---|---|
区域 | 小樽 | ||
100岩場N0. | 1 | ||
シーズン | 4月~11月 | ||
岩質 | 安山岩質集塊岩 | 傾斜 | 80~110度 |
ルート数 |
200本以上(フリークライミンク_の対象としては60本程度) ~5.9:26 5.10台:20 5.11台:24 5.12台:12 5.13台:2 5.14台:1 |
||
駐車場GPS | - | ||
場所 | 北海道小樽市 | ||
アクセス |
JR小樽駅より中央バスで赤岩2丁目 下車。徒歩20分で赤岩峠へ。各エリアへは徒歩10~30分。 車は赤岩峠に20台ほど駐車可能だが、夏期の好天時は満車となる。車上狙いも発生しているので注意。 |
||
アクセスマップ | |||
宿泊・ キャンプ地など |
赤岩峠で可能。トイレあり。風呂、 買い物は小樽市内で。 | ||
その他 |
岩は硬く、ボルトを打ち込むのに苦労す るような部分もあるが、ブロック状に剥離する事 もある。海沿いの岩場で、かつ歴史のある岩場な ので支点の腐食にも注意したい。ウルシにも注意。 赤岩のカラスは能力が高く、雨ブタのジッパーく らい簡単に開けてしまうので、食料品の管理も注 意されたい。 |
||
公衆トイレ | 無 | ||
掲載書籍 | 北海道・東北 |