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マンガ『岳』の三歩が長野県山岳遭対協の特別隊員に
2013年3月14日
3月13日、マンガ『岳』の主人公である島崎三歩が、長野県山岳遭難防止対策協会(以下、遭対協)の特別隊員に任命され、都内にて阿部守一長野県知事より作者の石塚真一氏に任命状が手渡された。
近年の登山ブームによって長野県の山岳地には登山者が増え、これに伴って遭難件数は年々増加しており、平成24年度は遭難者数が279人、対前年比では28人増となっている(長野県警調べ)。
過去には社会人山岳会や学生山岳部によって、山でのマナーや技術の教育を受けた登山者が多かったが、現在は山岳会などに所属しない「未組織登山者」が多く入山している。22~24年度は遭難者の約8割が未組織登山者だったという。
この組織に属さない登山者に対して、安全登山等の啓蒙活動を行っても浸透しづらいのが現状であり、これを打開するために登山者に馴染みが深く、親しみやすい三歩が起用された。
具体的には、遭対協が「山登り10訓」をうち立て、登山計画書の提出や登山マナーや技術の向上を訴えるキャンペーンを実施し、そのシンボルとして三歩が使用されることが決まっており、今後もキャラクターを使用したアイテムを救助隊員が身に着けるなどの展開が予定されている。
今回の任命に際し、石塚氏は「みんなが山に行けばいいのに、という気持ちから『岳』を描いたが、そういった影響もあって遭難が増えたとしたら申し訳ない。こういった形でマンガが貢献できることはうれしい。三歩も喜んでいると思う」と語った。