2023ピオレドール、ジョージ・ロウが生涯功労賞を受賞

文=鳴海玄希

2023年11月14日から16日、フランスのブリアンソンで2023年度ピオレドール授賞式が行われたが、生涯功労賞にはアメリカ人アルピニスト、ジョージ・ロウが選ばれた。

彼が世界中に残した足跡はいつも時代を先駆けており、粘り強く、強烈だ。

クリス・ジョーンズとのカナディアンロッキーのノースツイン北壁(1974年)、マイケル・ケネディと組んだアラスカ マウントフォーレイカーのインフィニットスパー(1977年)、エベレストのカンシュンフェイス(1983年)などは彼の代表的なクライミングだが、多くのアルピニストにとって最も印象的なのは、1978年、ジム・ドニーニ、マイケル・ケネディ、そして従兄のジェフ・ロウとトライしたラトックI峰の北稜かもしれない。

21日間、100ピッチ以上のクライミングをこなし、山頂までわずか150mのところから病気のジェフ・ロウらと共に下降したこのクライミングについて、後にマイケル・ケネディはこう書いている。

「我々は山頂に行くことは出来なかったが、それよりも遥かに大切な物を持ち帰ることができた。ロープを結び合った兄弟のような、生涯続く友情だ」

70歳でマウント・ハンチントンのウエストフェイス・クーロアールを登るなど、彼のクライミングキャリアに終わりは無さそうだ。

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