ソン・サンウォン、Demencia Senil 9a+/5.15aに成功

文=北山 真

日本でもおなじみの韓国のトップクライマー、ソン・サンウォン(35)が、スペイン・マルガレフ・ラボラトリーセクターのDemencia Senil(9a+/5.15a)をレッドポイントした。トライは3セッション34日間。

2009年クリス・シャーマ初登のこのルートは、極端にオーバーハングしたバルジ状を、浅い1本指、2本指ポケットの連続で登り、最後に大ランジで締めくくるもの。アダム・オンドラが指を痛めたことでも話題となった。

第2登は指の強さでは定評のあるイケール・ポウ(2010年)、以後ラモン・ジュリアン(2010年)、ステファノ・ギゾルフィ(2015年)、アレックス・メゴス(2015年、2撃!)そして今回のサンウォンに続く。サンウォンは指が細いため、核心のワンフィンガーがなかなか決まらなかったが、中指から薬指に変更したのが勝因だったという。
中指より薬指が太いということは考えにくい。中指メインだとほかの指を添えることは難しいので、薬指をメインに中指を添えたものと思われる(筆者注)。

サンウォンは特にコンペティターとして名高く、アジア選手権では4回優勝(2004、05、07、09年)、その内2回はリード、ボルダー両方での優勝である。2013年にはシウラナのLa Rambla 9aにも成功。本年7月にはソウルに自らの名前を冠した「ソン・クライミングジム」をオープンさせている。

そして驚くべきニュースがある。サンウォンは2018年のワールドカップシリーズに7年ぶりに参戦するというのだ。35歳といえば通常コンペ引退を考える年齢である。この勇気あるカムバックに注目したい。

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