ドライツーリング史上初、再登者により確認されたD16ルート

gripped.com
訳=羽鎌田学

一月下旬、米国人クライマー、ケビン・リンドラウが、初登時にD16とグレーディングされたAletheiaを再登し、そのグレードに同意した。それにより、Aletheiaはドライツーリング史上初の再登者により確認されたD16ルートとなったのだ。

ドロミテの一角にあるタナ・デル・ドラゴ(イタリア語、「ドラゴンの巣」)と呼ばれる洞窟の天井を登るこのルートは、イタリア人クライマー、マッテオ・ピロンが2021年に初登し、その完登までのプロセスを描いたビデオを公開した際に、次のようにコメントしていたものだ。

「このビデオを見れば、いかに圧倒的なラインであるかが理解できるだろう。40本以上のクイックドロー、60以上のムーブ、60メートル以上の水平ルーフ、300回以上のフィギュア4。常軌を逸したアイデアが、全力の取り組みと幸運のおかげでなんとか現実となった一本だ」

このAletheiaは世界で最初に確認されたD16ルートとなったわけだが、カナダでゴードン・マッカーサーが初登したStorm Giant(現在はアクセス閉鎖)やポーランドでフィリップ・バービッチが初登したOświecenieなどのルートでもグレードとしてD16が提案されている。また他の高難度ドライツーリング・ルートとしては、Parallel World(D15+)、およびA Line Above the Sky(D15)が存在する。

今回ケビンの登る姿をカメラで追ったカーラ・フォーグラーは、スターリングロープ社のHP上の記事で、「ルートを登るにはヘッドランプが不可欠で、クライミングは漆黒の闇の中から始まり、洞窟出口の光の輪の中で終わるという象徴的な構成になっている」と述べている。

また、Aletheiaを登るマッテオ・ピロンはYoutubeで見ることができる。

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