12才のジャンルーカ・ヴィゲッティ、グラヴェーレの岩場でTCT 9a完登

 
 
 
 
 
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planetmountain.com 訳=羽鎌田学

13才の誕生日を数日後に控えていたとはいえ、弱冠12才のイタリアのユースクライマー、ジャンルーカ・ヴィゲッティが、イタリア、トリノ県スーザ渓谷スーザ村近くの岩場グラヴェーレで2014年にステファノ・ギゾルフィが初登し、9a/5.14dとグレーディングしたTCTを再登した。

この7月には、アルコの岩場マッソーネで、やはり12才のアンドレア・ケレーリスが9aのPure DreamingをRPするという快挙を成し遂げた。それに続くように、同年齢のジャンルーカ・ヴィゲッティが、今度はグラヴェーレでTCTを見事完登し注目を集めることになった。ルート名TCTの3文字は、初登前年の2013年にアンドレアやジャンルーカと同い年で岩場での不幸な事故によって夭折したTito Claudio Traversa(ティト・クラウディオ・トラヴェルサ)のイニシャルで、彼に捧げるルートとして命名された。このルートは今までに2度、2014年にアダム・オンドラ、2017年にアレックス・メゴスによってオンサイトされている。

このジャンルーカ・ヴィゲッティのTCT完登は、充分予想できることではあった。TCTは、既存の2ルート、L’Extrema Cura(8c)とBase Jump(8b+)のリンクルートで、彼は、この5月には、TCTの主要パートとなるL’Extrema Curaのダイレクトルート、よりハードなL’Extrema Cura Plus(8c+)をRPして、準備万端となっていた。後は、L’Extrema Cura上部で左にあるBase jumpに入り、その最後のボルダリーな核心を繋げるだけだったのだ。

ちなみに、この好ルート、8b+のBase jumpの開拓初登者は、ジャンルーカの父親、ヴァルテル・ヴィゲッティである。しかし7月になると気温も上昇し、ジャンルーカはもっと涼しい岩場を求めてグラヴェーレを離れる。そして、9月になり、条件が整った今、見事RPを成功させたのだ。

もちろん12才で9aをRPすることには目を見張らされるが、ジャンルーカの外岩での素晴らしいパフォーマンスはこれだけではない。オンサイト能力にも優れ、スペインの岩場ロデジャールでLa Vía Del Kim、フランス、オートザルプのラ・ソームで無名ルート、ブリアンソンのリュ・デ・マスクでRacing in the Streetといった8a+相当のルートを一撃する一方、ボルダーでは、イタリア、トリノ県コンドーヴェのエリア、グランジェッタでFacilotto、同県のリフージョ・レービでAlba Chiara、クーネオ県のヴァルディンフェルノでSuper Sauvageの3本の8A課題を登っている。

TCTの再登について、ジャンルーカは次のようにコメントしている。「このルート、ジェットコースターに乗ってたみたいにワクワクドキドキしました。最高に興奮したのは、2ヵ月ぶりの一回目のトライの時、いきなり最後の核心まで行けて、そこで初めて落ちた瞬間です」それは、彼がRPの可能性を実感した時だったのだ。そして2日後、それが現実となった。

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