倉上慶大、富士山8合目で意識を失い、救助後病院で死亡

26日午前11時ごろ、倉上慶大が富士山8合目で意識を失い、同行者が110番通報で救助を求めた。警察と消防が現場に向かい発見・救助し、富士河口湖町の病院に運ばれまたが、死亡が確認された。38歳という若さであった。

倉上が意識を失ったのは初めてではない。2021年11月28日の朝、ハードなトレーニングが明け、レスト日を楽しもうと友人たちとマウンテンバイクで走り出した矢先のこと。赤信号で一時停止した倉上は、信号が変わってペダルを踏み込んだ瞬間、意識を失った。その時点ですでに呼吸はなく、救急車が到着するまでのおよそ15分間、一緒にいた友人による懸命の心臓マッサージが続けられた。

救急救命士による車内での心肺蘇生で息を吹き返し、救急搬送で病院の集中治療室(ICU)に収容された。病院での診断結果は、「運動誘発型の冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症」というシリアスな心臓病に由来する致死性不整脈(心室細動)で、医師の見立てでは「少なくともアスリートとしての復帰は難しい」というもの。クライミングや登山中の発作によって突然死する可能性もあった。

倉上は日本が世界に誇るトップクライマーであった。エル・キャピタン・ノーズのロープソロオールフリー初登、瑞牆・十一面岩正面壁・千日の瑠璃(5.14a R/X 7ピッチ)、国内最難のスラブルート小川山のPass It On(5.14+ R)、そしてマットなしで登られた幾多のハイボール課題など、数々の前人未到の記録を残している。 おそらく今秋にはエル・キャピタンにオリジナルラインを開拓する予定であった。

倉上の死は日本のクライミング界にとって、あまりに大きな損失である。

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