ボルダリングワールドカップ最終戦ミュンヘン

文=北山 真 写真=藤枝隆介

8月18日、19日で、ドイツ・ミュンヘンにおいてボルダリングワールドカップ最終戦が開催された。ヨーロッパ選手権を兼ねる大会ということもあり、おそらく史上最多であろう男子166名、女子114名が参加。日本からは男子9名、女子4名が参加した。


楢崎智亜

男子予選はA、Bグループの難易度がかなり異なり、グループAではアレックス・メゴスを含む選手が2完登で通過したが、グループBでは楢崎明智が、不運にも4完登で予選落ちということとなった。藤井快がグループAの1位、野中生萌がグループBの1位で予選通過した。年間チャンピオンの可能性を残していた渡部桂太はまさかの予選落ちとなった。


石松大晟

男子セミファイナルでは韓国のチョン・ジョンウォンが全4完登アテンプト6という好成績でトップ。藤井も4完登で2位につけた。やはり年間チャンピオンの可能性があったロシアのアレクセイ・ルブツォフが脱落。この時点でチョンの年間優勝が決定した。アレックス・メゴスは残念ながら7位で通過ならず。しかしほとんどの選手が登れなかった第4課題を一撃するなど非凡なところを見せた。


緒方良行 撮影=Kerstin Leicht

女子セミファイナルは、ヤーニヤ・ガーンブレッ卜、スターシャ・ゲヨ、野口啓代が4完登6アテンプトで同率1位。なおこのセミファイナルが、ヨーロッパ選手権のファイナルを兼ねていたようで、後に男子ルートを使ってヤーニャとスターシャのスーパーファイナルが行なわれ、スターシャが制した。


野口啓代

日本チームにとっては予期せぬ事件がこのラウンドで起きた。複雑な手順が要求される2課題目で野中がつまずく。第3課題をなんとか登り切るも、第4課題も失敗しまさかの10位となった。

そして、なんと6名中4名が日本人となった男子ファイナル。表彰台独占の期待さえかかった。ただしチョンがファイナルにめっぽう強いのは過去が物語っている。しかし最も強かったのは“地元”のパワーであった。スタートからコーディネーション系ダイノが要求される第2課題、ここですべてが変わった。ヤン・ホイヤーのみが完登。そのまま誰の追撃も許さず、全完登で優勝した。第4課題を完登した時の場内の盛り上がりはすさまじかった。

女子はこの最終戦を待たずショウナ・コクシーの年間優勝が決定していたこともあり、競技は淡々と進みヤーニャが3完登で優勝した。誰ひとり登れなかった超バランシーな第3課題を、スターシャのみが完登したのが印象的だった。

ミュンヘンリザルト

男子

1 ヤン・ホイヤー GER
2 楢崎智亜
3 石松大晟
4 チョン・ジョンウォン KOR
5 緒方良行
6 藤井快
――
20 藤脇祐二
21 楢崎明智
23 原田 海
35 渡部桂太
45 堀 創

女子

1 ヤーニャ・ガーンブレッ卜 SLO
2 ショウナ・コクシー GBR
3 野口啓代
4 スターシャ・ゲヨ SRB
5 アレックス・プッチョ USA
6 ペトラ・クリングラー SUI
――
10 野中生萌
43 尾上 彩
49 小武芽生

2017年間ランキング

男子

1 チョン・ジョンウォン KOR
2 楢崎智亜
3 アレクセイ・ルブツォフ  RUS

女子

1 ショウナ・コクシー GBR
2 ヤーニャ・ガーンブレッ卜 SLO
3 野口啓代

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