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ピエートロ・ヴィーディ、ヨーロッパ最難5.14+のトラッドルート完登
gripped.com
訳=羽鎌田学
2024年12月下旬、イタリア人クライマー、ピエートロ・ヴィーディ(22歳)が、イタリアのヴェルバーノ・クジオ・オッソラ県オッソラ谷カダレーゼの岩場にあるテクニカルなトラッドルート、Tribeを登った。このルートは、2019年にヤーコポ・ラルケルが初登し、2020年にはジェームス・ピアソンが第2登した一本である。
「トライを重ねていくうちに、ルートはコンディションに大きく左右され、ひどい時には完全に濡れてしまうことがわかったのですが、テクニカルで成功の確率が低い核心の存在と相まって、予想以上に長い戦いとなってしまいました」と、ピエートロはVertical-Life(www.8a.nu)でコメントしている。
「ルートは実際にはかなり安全で、核心は比較的よく効いたプロテクションに守られていますが、ノーフォールゾーンが何カ所かあります。7aぐらいのルート最初のパートや、ボールナッツを2個セットしてからこなす核心の後に続くパートなどです。そのボールナッツが核心の上での墜落に本当に耐えてくれるのかわからないのです。まあ最悪でもグランドフォールはしないでしょうが」
初登者のヤーコポ・ラルケルも第2登したジェームス・ピアソンも、このルートをグレーディングしていないが、一応5.14+と推定されている。
今回第3登したピエートロも同ルートのグレードを明言しておらず、「グレードについては、私はヤーコポの『グレーディングしない』という決定を大いに尊重しています。このルートは、私にとって、単純な数字であるグレードが表現できるものよりもずっと複雑で、間違いなく私が過去最高に苦戦したルートの一本と言えるでしょう。正直、2番目のボルダリーなパートではかなり苦労させられました」と語っている。
ピエートロ・ヴィーディは、Fuck the System(V16)、Flow State(V15)、Dreamtime(V15)、Captain Nemo(V15)を登った経歴を持つ実力あるボルダラーだ。アダム・オンドラとカルロ・トラヴァーシを除いて、このグレードのトラッドルートを登ったV16クライマーは稀である。