シューズやチョークと違って、クライミングウェアの性能は、それがどんなに優れていても直接登りを助けてくれることはありません。けれど気に入ったウエアを身につければ、きっと気分が上がってよりよいパフォーマンスを発揮できるはず。お気に入りの一着が上達の鍵になるかもしれません。
トップスについていえば、クライミング専用のものはあまりありません。
ルートクライミングの際にハーネスを試着したまま着用できるよう、下からもジッパーが開閉できるビレイジャケットなどが数少ないアイテムといえるでしょう。一方パンツに関しては、股の部分に「ガゼットクロッチ」と呼ばれるマチを設けたり、膝に立体裁断を施したりと、足の大きな動きを妨げないさまざまな工夫がされています。
ただし、「クライミングパンツ」と名前がついていても、アルパインクライミング用のハードな環境に対応するものから、似ているだけのカジュアルウエアまでが存在するので、実際の作りを確認して、用途に合ったものを選ぶことが必要です。
山道具を扱う店でも購入できますが、どれがクライミング向きなのかを探すのが難しいところ。専用コーナーなどが設置されていなければ、お店の人に相談してみるといいでしょう。また、クライミング用品の専門店や、クライミングジムに併設されているショップなら、クライミング向けのものだけを取り揃えているので迷うことがありません。サイズ感がわかっているなら、ブランドやジムが運営するWEBショップを利用するのも一案。
動きやすければなんでもOK。特に決まりはありません。ストレッチ性のあるものなら普段着でも登れるので、ふらりと立ち寄って登ることができるといった気軽さもクライミングの楽しさです。
ただし、特にパンツに関しては、実際に専用のものを使ってみると、その動きやすさを実感できるはず。何度か登って大きな動きができるようになってきたら、専用のウエアを手に入れるのもいいでしょう。
クライミングブランドのウエアを身につけると、モチベーションが上がってトレーニングにいっそう力が入るなどということもあります。
あります!時代ごとにさまざまなウエアの流行がありました。最近はストレッチ性やカッティング技術、新素材などウエアの機能が高まることで、以前は不向きと思われていたデニムなども、十分な機能をもったクライミングウエアとして登場してきました。
逆に、最近はスポーツウエアイメージの強いアイテムも増えていて、コーディネートの楽しみがどんどん広がりそうです。
ルートクライミングのときは、トップスは長めのものがベター。短すぎるとハーネスからシャツがずり上がって着心地が悪くなります。ボルダリングでも腕を上げたときに裾が大きく上がって、お腹が丸見えということが。
リボンやヒモなど飾りのあるものは、クライミングにはNG。特にルートクライミングでは、ギアに引っかかって、事故につながる危険もあります。
クライミング用のパンツでも、ボルダリングをメインに考えられた製品の中には、股上が浅く作られていてハーネスを合わせにくいものがあります。
スポーツ用のパンツでも、ランニング用などはヒップ周りのゆとりがあまりないものが多く、クライミングをするとウエストが下に大きく引っ張られることも。足の裏を地面につけ、ひざをいっぱいに曲げてチェックしましょう。
ジムではエアコンが効いているし、汗をかいたら着替えることもできますが、アウトドアではそうはいきません。汗をかいても快適な速乾素材のウエアなら、アプローチの長いときなど、登る前に汗で体が冷えてしまうことが防げます。また、雨具や防寒具も忘れずに。着心地がよく多目的に使える防水シェルなども便利です。
※本記事はCLIMBING-joy015号の記事を元にしています。
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