最新クライミング用語集(は行)

 

【は】

ハーケン Haken(独)→ピトン

バックハンドクリップ backhand clip カラビナのゲートが外側を向いている場合の方法。人さし指にロープを載せてカラビナのゲーとに押し付けるようにすると同時に、親指でカラビナの反対側を押さえる。

ハードフリー(俗) 現在行なわれているフリークライミングを過去にこう呼んだ。「ハードな(難しい)フリークライミング」の意味。

ハーネス harness クライミング用の安全ベルト。語源は、馬車馬に付ける革のベルト。

パーミング palming 丸いホールドなどを手 のひら(パーム)で押さえること。

パキる(俗) 主に手の指の関節を痛めるこ と。一流クライマーになるには避けて通れな い(?)。

バックアップ backup もしも、のために別 の安全確保をとっておくこと。

ハングドッグ hangdog(俗) ロープにぶら下がってホールドやムーブを探ったりすること。アメリカでは近年まで反則技だった。

ハンドクラック hand crack 手のひらの厚さから、それよりやや広いクラック。

ハンドジャム hand jam ジャミングのなかでは、いちばん簡単。

バンド band 岩を横切っているもの。レッジが横に長く続いているものをさすことが多いが、エベレストのイエローバンドのような“絵に描いた餅”にも使われる。

パンプ pump(俗) 過度の使用により筋肉がふくれ上がること。「パンプアップ」の略。

 

【ひ】

ヒールフック heel hook かかとをホールドに引っかけるテクニック。昔はハングの出口などでしか使わなかったが、今はバランスを とるために、ちょっと引っかける程度のフックが多用されている。

ピッチ pitch ルートの区切り。フリークライミングでは圧倒的にワンピッチのルートが多い。

ピトン piton 岩の割れ目に打ち込む金属製 の板。割れ目の幅により、ナイフブレード、 ロストアロー、アングルなどがある。もとは フランス語。

ビレイ belay 確保。主にロープによる安全 確保のこと。

ビレイヤー belayer ビレイする人。

ビレイループ belay loop ハーネスのレッグループとウエストベルトをつないでいる輪。ここに安全環付きカラビナでビレイディ ングでつないだもの。カンフーのヌンチャク バイスをセットし、ビレイする。ラペルの際もここを使う。

ピンクポイント pink  point プロテクショ ンをセットしたままの状態でリードし、完登すること。ボルトルートではレッドポイントに含めているので、主にクラックルートで使用される戦術。

ピンチ pinch 親指とその他の指でホールドを挟むこと。「ピンチグリップ」の略。

 

 

【ふ】

プアプロ(俗) 不確かなプロテクションしかとれないこと。イギリスでは伝統的にプアプロのハードルートが多い。または「貧乏なプロクライマー」の略。これもイギリスに多い。

フィックスロープ fixed  rope 固定ロープ。フリークライミングではおもにルート整備、写真撮影などで使用される。

フィンガークリップ finger  clip カラビナのゲートが内側を向いている場合の方法。カラビナの下を中指で押さえ、人さし指と親指で挟んだロープをゲートに押し込む。

フィンガーチップ finger  tip 極小エッジ。

フィンガリー(俗)細かいホールドが続く、指を酷使するルートを「フィンガリーなルート」という。

フラッギング flagging 片方の足をホールドに乗せずに(流して)バランスをとり、次のホールドを取る方法。体は壁に対して横向きになるので、外側の足を流す場合は「アウトサイドフラッギング」、内側の足を流す場合は「インサイドフラッギング」という。

フラッシング flashing 本来は(オンサイトも含めた)1 回目のトライで完登すること。のちにオンサイトの概念が確立され、区別するために「他人の登りを見たあと、初めてのトライで完登すること」を指すようになった。

フリーソロ free  solo 通常はリードされているルートを、ロープをつけずに登ること。もちろん一般的ではなく、ごく少数のクライマーがたまに行なうだけ。フリーソロを行なうクライマーとしてはジョン・バーカー、ピーター・クロフト、ルネ・ロベール、アレックス・フーバー、ディーン・ポッターなどが有名。

ブリッジング bridging →ステミング

フリクション friction 摩擦フリークライミングにおいては、靴底と岩、ふたつのフリクションが重要なファクターとなる。

フレーク flake 壁に貼りついているような状態の板状の岩。

プロジェクト project 「計画、企画」という言葉だが、クライミングでは「試登中」を意味する。「P」と略して書かれることが多い。トポに、単に「プロジェクト」と書いてある場合は登らないほうがいい。誰が登ってもいいものは「公開(オープン)プロジェクト」と書いてあるはず。

プロテクション protection 安全をプロテクト(守る)するためのもの。ボルト、ピトンのように壁の中に残置されているもの(フィックスドプロテクション)に対して、クラックなどで使う回収可能なものを「ナチュラルプロテクション」と呼んでいる。

プロブレム problem 課題。主にボルダリングに使われる。

 

【へ】

ベータフラッシュ beta  flash ベータとは「情報」のこと。つまり、情報付きのフラッシング。核心部の手順を事前に(あるいは登りながら)人に聞くなど。場合によっては、人の登りを見るより助けとなるかもしれない。ジャック中根に連れられて登りに行き、一撃した場合、必然的にこのベータフラッシュとなる。「ヘッドポイント」ともいう。

 

【ほ】

ボルダー boulder 大きな石ころ。

ボルダリング bouldering ボルダーを登ること。壁の取付などでロープをつけずにトラバース、あるいは安全な高さまで登ることも含む。

ポケットpocket 穴状のホールド。大きさにより、ワンフィンガーポケット、ツーフィンガーポケット・・・、スリー・・・と呼ぶ。

ホールド hold 手がかり、足がかり。

ボディビレイ body belay 本来は「肩がらみ」「腰がらみ」といった、体とロープ(厳密には服とロープだが)がじかに触れるビレイ法を指していたが、現在では器具によるビレイが当たり前になったため、器具をアンカーにつないでビレイするのではなく、ハーネスにつないで行なうことをいう。

ボルトラダー bolt  ladder ボルトばしご。ボルト連打。人工登攀の奥の手、最後の切り札。

ホワイトポイント white  point リードルートをトップロープで完登すること。

本チャン(俗) 「アルパインクライミングの本番」の意味。つまり高い山の大きな壁、またはそこでのクライミングを指す。「ゲレンデ」の反対語。