実践!クライミング語 ~外岩にて Chap.2~
| マルオ | アレ①! アレ! | 
| スネ太 | テッ、テンション②! 張って! 張って! | 
| マルオ | え~! そこはボルダーなら6級以下だよ~。 | 
| ジロー | なんだ、そんなもんか。 | 
| スネ太 | ジッ、ジローさん、来てたんすか。ここ手順がわかんないっす。 | 
| ジロー | そこの縦ホールドを右手でガストン③にして、フレーク④を左手で取ったらクラック⑤にハンドジャム。ちなみにカンテは限定⑥だから使っちゃダメだぞ。 | 
| スネ太 | わかりました。いきま~す。 (——ガシガシ、バタバタ) うわ~、ジャミング⑦なんてできね~! うりゃ~!  | 
| ジロー | 観音⑧かよ! あっ、そこのチョックストーン⑨はつかむと…。 | 
| スネ太 | あっ、抜けた! ——バシッ  | 
| マルオ | 痛って~! | 
イラストレーション=橋尾歌子構成・文=ロクスノ太郎
*この記事は『CLIMBINGjoy No.3』掲載記事をもとにしています
用語解説
 ① アレ 
フランス語で「ガンバ」の意味。これを使っている人には「フランスに行ったことがあるんですか〜?」と、語尾を上げぎみで声をかけてあげよう。きっと喜ぶ。近年はスペインへ行くクライマーも多いのに、同じ意味の「ベンガ」が使われないのは、なんかオシャレじゃないからか?
 ② テンション  
簡単にいえば、ロープに体重をあずけること。あんまり長いことぶら下がっていると、順番待ちの人から冷たい視線が注がれるだろう。いつまでもぶら下がっている人たちを「ボンボリーズ」と呼ぶことも。
 ③ ガストン  
肩の力を利用してホールドを保持するテクニックだが、これで肩を壊したという話をよく聞く。ご注意を。ちなみに、フランスの某有名ガイドの名前に由来している。
 ④ フレーク  
瑞牆山十一面岩「ベルジュエール」5ピッチ目のこれは有名——といわれても困る人は『ROCK&SNOW』044号P094参照。
 ⑤ クラック  
岩の割れ目。「近ごろはクラック・クライミングが流行っている」とよく聞く。しかし、クラック主流のエリアで、いつも顔を合わせる人が同じなのはなぜだろう?
 ⑥ 限定 
使えるホールドなどを制限すること。足では使っていいけれど手では使っちゃダメ、なんていう限定ルートも存在する。
 ⑦ ジャミング 
クラックに手足をねじ込んで体を支える技。慣れないと痛くて「もう二度とやりたくない」という経験者は多い。
 ⑧ 観音(開き) 
クラックの両サイドを外側に開くようにして持って体を支えること。かなり力を使うため、クラックが細くて指が入らない(ジャミングができない)場合を除けば、あまり有効な手段ではない。
 ⑨ チョックストーン  
岩に挟まった石。ときどき非常にいいホールドになるが、外れる危険性が高いので無闇につかまないこと。
登場人物
*登場人物は架空です。





