【ラ スポルティバ】 Futura / フューチュラ

これまでのシューズはエッジ部分のラバーが邪魔して足裏感覚が損なわれていた。エッジを省くことで足裏感覚が増し、さらに自分の足がホールドに乗る面積を増やそうというのがフューチュラに用いられている「ノーエッジコンセプト」だ。このほんの数ミリの差が、足づかいを重んじるクライマーには大きな差に感じることだろう。ベルクロは一カ所で止めるタイプだが甲の広い部分を固定し、フックしてもシューズがズレない。

小さなフットホールドにスメッジング(エッジにつま先でスメアリングすること)する際、優れた足裏感覚と立ち込み性能、足でホールドを掴む力が効果を発揮する。
美しい曲面を描くヒールカップは踵の側面でフックしても滑りにくく、丁寧に作られたアッパーのおかげで足がシューズ内で動かないため、がっちり引っ掛けられる。
ダウントウはしっかりしているものの、ソールが柔らかくベタッとした足置きに対応している。「ビブラムXSGrip2」は粘りがあって安心してスメアリングできる。
凹凸が少なく、レザーを使用したアッパーはトウフックに強い。シューズ全体に柔らかく自由度が高いため、高度な足づかいにも対応してくれるだろう。

花崗岩に出てくるようなマイクロエッジに立てるか否かは、ミッドソール(アウターソールより内側にある心材)の硬さが影響するようだ。フューチュラは柔らかめで、主に前傾壁で高い能力を発揮するが、タイトなサイズを選べば、十分、極小ホールドにも立てた。ノーエッジのスメッジング力と足裏感覚が相まって、ホールドに立ったときに安心感があり、どんどん次のムーブに入れる。新品の状態でもすぐに本気シューズとして使え、慣らしはほとんど必要ない。

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