スポーツクライミング日本選手権リード競技大会2017。女子は野口啓代が6度目の優勝、男子は中野稔が念願の初優勝


 
埼玉県加須市の加須市民体育館

文=大畑貴美子 写真=山本浩明、萩原浩司

スポーツクライミング日本選手権リード競技大会2017が3月4・5日、埼玉・加須市民体育館で開催された。

女子は台頭するユース世代がベテラン勢にどこまで迫るか注目されたが、女王・野口啓代(27)が2大会連続6回目の優勝を決めた。男子も、20歳前後の選手層が充実するなか、ベテラン中野稔(33)が執念の登りで初優勝を飾った。

本大会は、男子76人、女子45人が出場。予選はフラッシング方式で2本のルートを登り、男子の上位28人、女子26人が準決勝へ進んだ。準決勝・決勝はオンサイト方式で1ルートを登るが、準決勝は壁2面、決勝は壁3面を使った見ごたえのある課題。今回はリード大国・スロベニアからセッターを招へいし、ワールドカップとそん色ないレベルのルートが設定された。


 
決勝ルートで最終ホールドを狙う3選手

女子準決勝の課題はやや難解で完登者はなかったが、野口、大田理裟(24)が同一高度でトップ通過し、森秋彩(13)、小武芽生(19)が続いた。ルービックキューブを模したユニークなホールドが配され、中盤にダブルダイノが要求される決勝課題も完登者は出ず、野口、大田、森が同一高度で並んだ。結果、カウントバック(前のラウンドの成績を考慮する)で野口の優勝が確定した。

「優勝をねらっていたのでうれしいが、完登できなかったのはくやしい」と野口。ここ数年はボルダリングに集中していたが、今年は2020年のオリンピックを見据え、ワールドカップもボルダー、リード、双方に取り組んでいく予定だ。

惜しくも3位の森は、小柄な身長のハンデをものともしない理知的な登りで観客を魅了した。ワールドカップ出場には16歳以上という年齢制限があるため、当面はユースの大会で腕に磨きをかけていくことになる。


 
ランジでホールドをとらえる野口啓代

>>男子準決勝は中野、緒方良行(19)、是永敬一郎(21)の3人が完登[つづきを読む]

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