【書籍紹介】『ALONE ON THE WALL アローン・オン・ザ・ウォール 単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡』

第91回アカデミー賞、長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したドキュメンタリー映画『Free Solo』。この映画の主人公であるアレックス・オノルドが半生を振り返り、自身のクライミング哲学を語ったのが『ALONE ON THE WALL アローン・オン・ザ・ウォール 単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡』である。

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初版は2016年のため、2017年のヨセミテ、エル・キャピタン フリーライダーのフリーソロや2018年のノーズスピード記録更新については含まれていないが、アレックス・オノルドの名を一躍有名にしたムーンライト・バットレスフリーソロ、ナショナル・ジオグラフィックの表紙で有名になったハーフドーム北西壁フリーソロ、トミー・コールドウェルとともにおこなったパタゴニア フィッツトラバースなどの模様が、事前の準備段階から実際のクライミングに至るまで詳細に語られている。フリーソロをおこなうようになったきっかけや、フリーソロの準備を具体的にどのような感じでおこなっているのかといった内容についてもカバーされているので、非常に興味深い。

アレックス・オノルドの動画や写真をみると、おそろしい絶壁をロープなしで登るという表面的なパフォーマンスにばかり目がいってしまいがちだが、本書ではそのパフォーマンスの奥に隠れたアレックス・オノルドの内面に深く迫ることができる。

またクライミングだけでなく、家族への思い、交際した女性との関係、自ら立ち上げた財団でおこなっているチャリティー活動などについても触れられており、アレックス・オノルドのクライマー以外の側面も知ることができる。

ぜひ沢山のクライマーに読んでいただきだい一冊だ。

 

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