アンパラレルの新作3モデルをチェック – 第1回はヴィム!
高いフリクション性能で話題のアンパラレルから、ニューモデルが登場!今回はヴィム、ニュウトロレース、ニュウトロVCSの3モデルを約3週間にわたって履き、その性能を徹底的にチェックしました。
今回はスリッパタイプの「ヴィム」を紹介します。
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写真・文=佐川史佳
まずはフリクションを確認!
クライミングシューズに求める性能は、フィット感、ヒール・トウフックのきまりやすさ、デザインと様々ありますが、フリクションは何よりも優先されるところではないでしょうか。
滑らないソールに定評のあるアンパラレルのなかでも、ヴィムにはRSという高フリクションラバーが使用されているので、とにもかくにも“どれだけ粘るのか”をチェックしてみました。方法は単純、デュアルテクスチャホールドのあの忌々しいツルツル面を踏むのみ。
ツルツルに磨かれたフットホールドにも有効な高フリクションラバーを使用
カタログにRS「高フリクションラバー。低荷重でもシビアなフットホールドに対してフリクションを発揮」とある通り、他社のラバーよりフリクションがいいことは明らかです。例えば、石灰岩のツルツルに磨かれたフットホールドには、かなり優位に働きます。
強傾斜に強い素足感覚のヴィム
ハイエンドモデルといえば1本締めベルクロ全盛のいま、ヴィムはあえてのスリッパタイプです。気負わずに、しかし本気で登りたいクライマーには注目のモデルではないでしょうか。ヒールフックはベルクロやレースアップのようにできないのは“言わずもがな”ですし、着脱もちょっと気合がいりますが、シンプルな構造はミニマムを志すフリークライマーにぴったり(ヒールフックの性能は決してわるくないですが、同社の他モデルと比べてという話です)。
リズムよくホールドを蹴って登るクライマーにおすすめのヴィム
やはり最も機能性を発揮するのは強傾斜です。体が伸びきっても足を残したいとき、ヴィムのつま先はホールドを放しません。シューズ全体がやわらかいので、ホールドを掴むようにつま先を曲げてかき込んだり、反らせてトウフックしたりと、ホールドに足を絡めて登るのに最適です。
じっくりフットホールドに荷重して登るより、リズムよくホールドを蹴って登るのに向き、スピーディでキレのある登りをするクライマーにおすすめしたい一足です。
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佐川史佳プロフィール
フリークライミング歴20年以上。 ボルダリングをはじめ、リード、トラッド、アルパインクライミングとオールラウンドに活動。2005年より山と溪谷社にて『山と溪谷』『ROCK&SNOW』『CLIMBING joy』などの編集を手掛ける。その傍ら、インストラクターとしてクライミングの振興に貢献。近年は、テレビ番組『Let’s クライミング』(NHK BS1)の監修、出演など幅広く活動中。埼玉県春日部市のボルダリングジム、ビースリー春日部(http://bouldering-b3.main.jp/)のオーナーでもある。