リード日本選手権2018、森秋彩、是永敬一郎が初優勝

文=北山 真 写真=小澤信太

3月3日、4日、埼玉・加須市民体育館においてリード日本選手権が行われた。今年はこの大会が唯一の日本代表選考の大会となる。参加は男子73名、女子46名。

3日の予選は比較的登りやすい設定で、男子12名、女子8名が2ルートを完登した。以下成績により男女それぞれ26名が翌日のセミファイナルへと進んだ。

セミファイナルは一転して厳しい設定となり、女子は野口啓代と森秋彩が最終ホールドタッチ。男子は最高到達点をマークした是永敬一郎ですら数手を残すものであった。女子は定員通り8名。地元埼玉出身の小池はな(12)が初出場でみごと決勝進出した。男子は7位タイが3名いたため9名がファイナルに進んだ。

女子ファイナルは全体にポジティブなホールドが少なく、向きも悪く、大きなレストはできない内容だ。ほとんどの選手がルート3分の2付近でフォールする中、森が7番目に登場。すべてのパートをコントロールされた動きでこなす、圧巻の登りで完登。森にしては珍しく1分を残しての完登であった。


ファイナルを完登する森秋彩

場内の様子で、もちろん森の完登を野口は分かっていただろう。完登すればタイム勝負となる。普通に登ればリーチで勝る野口が早いことは明白だ。しかしこのベテランにも焦りがあったのであろうか。最終ホールドを不用意に取りに行きフォールしてしまった。

ファイナル最上部の野口啓代。この後まさかの……

男子ファイナルは中間部にダブルダイノのパートがあり、実質の勝負はその先からになる。4人目の土肥圭太(17)が安定した登りで最高到達点をマーク。8人目の楢崎がさらに上を行く。


中間部のダブルダイノをこなす楢崎智亜

最後に登場したのは本命是永。楢崎のつかんだホールドからなんとかムーブを起こし+をもぎ取った。とっさの判断でここが勝負と思い、手順が違っていることを知りつつ一手出したという。驚くべき勝負勘といえよう。国内ではすでに何勝もしている是永だが、この日本選手権は初優勝であった。


ファイナルの是永敬一郎

リザルト

女子

1 森 秋彩
2 野口啓代
3 伊藤ふたば
4 田島あいか
5 谷井菜月
6 三浦絵里菜
7 廣重幸紀
8 小池はな

男子

1 是永敬一郎
2 楢崎智亜
3 土肥圭太
4 本間大晴
5 中野 稔
6 波田悠貴
  中上太斗
8 樋口純裕
9 藤井 快

同一カテゴリの最新ニュース