鈴木雄大・西田由宇・成田啓ら、パキスタン・ツイ2西壁を初登攀

2024年9月24日、鈴木雄大・西田由宇・成田啓らが、パキスタンのヒンドゥーラジ山域に位置するThui2(6523m)の西壁を初登攀した。Thui2の登頂としても46年ぶりの第2登となるとのこと。

ルート名は「Spider’s Thread」。ED+、M7、A2とグレーディングされた。

「序盤のアイスでは強烈な日射により、溶けてスカスカだった。しかし要所にクラックがあり岩と氷を繋ぐような“まさにミックスクライミング”というようなルートファインディングが最高だった。山頂に向かってダイレクトに登っていくと、最後は大きな一枚岩。6400mの高所で雪の詰まったクラックを頼りに、フラットシューズなしでアイゼンを脱いでの難しいエイドクライミングとなった。クラックが途切れたところには、奇跡的にあったフレークにフィンガーサイズのカムをきめ、なんとかラインを繋げることができた。」とルートのハイライトを語った。

 

鈴木雄大は「3人とも交互に、次々と出てくる印象的なピッチを攻略していくうちに、ダイレクトに山頂まで繋げられたのが、とても充実の、クライミングとなった。 予定よりクライミングに手こずったので、6500mでの山頂ビバークとなってしまった。 息も苦しく、時折り吐き気にも襲われたが、昨年のガンバルゾムも見え、素晴らしい体験となった。」今回の登攀を振り返った。

今回グレーディングされたED+、M7、A2というグレードは参考としてEDは「極めて困難」、M7は「垂直以上が一定距離続く」、A2は「確実なプロテクションの上に体重しか支えない支点が1~2個続く」ものを指す。どのセクションにおいても難しく技術が求められるルートである。
Thui2の登攀に関する詳報は12月発売予定の「ROCK&SNOW106号」に掲載予定。

 

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