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大学山岳部チーム、ヒマラヤの未踏峰に初登頂
2024年10月12日、青山学院大学・東京大学・立教大学・中央大学の山岳部員らで構成されたチームがヒマラヤの未踏峰「Phungi(プンギ)」に初登頂した。
この「Phungi(プンギ)」は2022年のヒマラヤキャンプ登山隊の後藤希介、加々見太地、安達正貴らによってもトライされたが高所でのラッセルなどに苦しめられ登頂には至らなかった。
今回の遠征チームはそうしたヒマラヤキャンプの遠征隊の反省も活かしつつ、長期にわたる遠征期間と複数にわたるアタックチャンスを設けるという学生らしい着実な手段で山頂に至った。
公益社団法人日本山岳会学生部プンギ遠征隊
隊員は青山学院大学の井之上巧磨、東京大学の尾高 涼哉、立教大学の横道文哉と中沢将大、中央大学の芦沢太陽といった複数の大学の山岳部員によって構成。OBはおらず現役学生のみだ。現役の学生だけで情報の少ない未踏峰の企画・立案・実行・
今回のプンギは南峰の西尾根から稜線にあがり本峰を目指すルートをとったが、南峰と本峰の間の稜線には情報がなく隊は警戒していたとのこと。実際に稜線上は露岩しており想像以上にナイフリッジだったようだ。隊は西面の尾根側面に身を出してのトラバースなどでルートを繋げた。
「計画ではプンギサウスに雪壁を登り出て稜線を本峰に向け縦走する予定だったが、実際にはサウス直下100mにクレバス帯が存在した。その後の稜線も、懸垂をする必要があったりした。未踏峰という事で記録やトポに頼らず、自らルートラインを考え、行くのが面白くもあり難しかった。」と難度の高かった部分を振り返った。
公益社団法人日本山岳会学生部プンギ遠征隊
今回の遠征は複数のメディアにも取り上げられており、登頂に成功することで大学山岳部の存在とその活動を広めたいと目標を掲げていた彼らにとって大きな成果であったと言えるだろう。
今回の遠征全体を通して「何が出てくるか分からない。自分の取ってるルートが正しいのか分からない。そんな未踏峰、未踏ルートならではの不安を抱えながらの登山となった。しかしながら、その分山頂に着く事が出来た時の喜びは既登の物では味わう事の出来ないものだったと思う。」と答え、未踏峰ならではの体験を楽しめたことを教えてくれた。
詳細はROCK&SNOW106号に掲載予定。