アレックス・フーバー、オーストリア・シュタインプラッテの岩場で30年来のプロジェクトルートを初登

planetmountain.com 訳=羽鎌田学

 

 
 
 
 
 
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ガバホールド皆無、Highwayのスムーズな壁 Heinz Zak

ドイツ人クライマー、アレクサンダー・フーバーは、30年前にオーストリアのシュタインプラッテの壁にトーマス・シェーファーとノルバート・ヴィッヒが設定したプロジェクトルートをついにフリーで初登した。

本格的な冬の到来を目前に控えたある日、アレクサンダー・フーバーはオーストリア・アルプス、ドイツとの国境近く、ヴァイドリング村とローファー村に跨って位置するシュタインプラッテの南壁に足を向けた。そこで彼は非の打ちどころのないほどに滑らかな表面を持つ石灰岩の垂壁に引かれた見事なラインの待望のフリー初登を達成したのだ。

このHighwayと名付けられたルートは、遡ること1987年にオーストリア人クライマー、トーマス・シェーファーとノルバート・ヴィッヒが数ヵ所のエイドを交えて初登したものである。実のところ、彼らの初登直後、アレックスは当ルートの完全フリー化を目論み挑んだが、第4ピッチに到達した時点で焼けつくような真昼の太陽に打ちのめされギブアップした経験があった。

2018年には、彼はシュタインプラッテのセクター、エレファンテンバウフに舞い戻り、Highwayの100mほど右側にグランドアップ、ロープソロでMauerläuferを開拓、初登した。この200m、6ピッチ、最難ピッチグレード8b+のマルチピッチルートを登っている間に、Highwayへの興味が彼の胸中に再び首をもたげてきた。

そして2020年夏、アレックスはシュタインプラッテに近いウエルコプフの岩壁でMagellan(200m、6ピッチ、最難ピッチグレード8a)、ドイツとオーストリア国境周辺に聳えるベルヒテスガーデン・アルプス最北端のウンタースバーク山塊でSonnenkönig(300m、6ピッチ、最難ピッチグレード8b)、同アルプス東部のホアゲル山塊アルペルタルコプフ峰でSiete Venas(300m、6ピッチ、最難ピッチグレード8b)のフリー化を試みながら過ごし、各ルートで目標を達成した後に、今度はシュタインプラッテのプロジェクトに焦点を合わせた。

Highwayは計6ピッチで、取付きからそれぞれ6b、7b+、7c、8a+、8a+、6c+とグレーディングされている。一見、極度に難しいピッチはないのだが、そのラインはホールドがほとんど見当たらないほどに滑らかな岩に描かれていることを忘れてはならない。

「そこにはレッジもガバホールドも一つたりともなく、極めて小さなフットホールドばかりが散りばめられた垂直の舞踏場で舞うような登りになります」と、51才になったアレックスは説明する。「非常に巧みなダンスに匹敵する、信じられないくらい優雅で、比類なきクライミングです」

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