エイダン・ロバーツ、Alphane 9A/V17第2登

Nick Brown, ukclimbing.com
訳=羽鎌田学

イギリス人ボルダラー、エイダン・ロバーツが、スイス、ティチーノのキロニコでAlphane(9A/V17)を第2登した。アメリカ人クライマー、ショーン・ラブトゥが今年の4月に初登したが、夏までそれを公表しなかった9A課題である。

エイダンは自身のインスタグラムで、次のように語っている。

「人生で最高の経験のひとつになった。クライミングのほぼ全てのシーンにおいて言えることだが、あらゆる要素がうまく噛み合うワン・トライ、時間感覚が失われ、ムーブをいともたやすく流れるようにこなしていける瞬間、それは私たちの経験全体のうちのごくわずかな部分を占めているにすぎない。しかし、そんなトライ、瞬間が、私たちのサクセスストーリーを左右するほどの力を持っている」

 
 
 
 
 
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エイダンのトレーニング法は伝説となりつつある。彼はある特定のボルダー課題をターゲットに特別なトレーニングを組むことに、どんな苦労も惜しまないことで知られている。例えば、ナーレ・フッカタイバルのBurden of Dreams(9A)再登を狙って、そのホールドをスキャンして3Dプリントしたレプリカを組み立てるほどだ。そんなエイダンは、Alphaneについて、こう書いている。

「Alphaneには、終始楽しませてもらった。岩場やレプリカでの毎日の努力が、ムーブの微妙さ、ホールドの複雑さ、最適なマインドセットを習得するといった面で、実を結んだのを感じた。この課題にはポジティブな思い出しかない。友人たちと一緒にトライし、その攻略法を共有し合った楽しい日々だった。すべてのセッションがひとつの成功のように充実していて、もうこれ以上そんなセッションの日々を送れないのが残念だ」

Alphaneはナーレ・フッカタイバルのBurden of Dreams、ダニエル・ウッズのReturn of the Sleepwalker、シモン・ロレンジのSoudain Seul*に続く、世界で4本目の9A課題である。現在のところSoudain Seulのみが再登(3度)されているので、Alphaneが再登者を迎えた2課題目になったことになる。

イギリス人クライマーでは、ウィリアム・ボシとエイダン・ロバーツの2人が8C+課題を登っているが、今回Alphaneを再登したことにより、エイダンが最難ボルダー課題、9Aを登った唯一のイギリス人クライマーとなった。世界では、彼はこのグレードを登った7人目**のクライマーとなった。

*Soudain Seulは8C+/9Aと表記されることもある。**その場合は7人目ではなく4人目となる。

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