ボルダーワールドカップ2023第3戦ソルトレイクシティ

男子優勝の楢﨑智亜

文=北山 真 写真=IFSC

2023年5月19日~21日、アメリカ・ソルトレイクシティにおいて第3回のボルダーワールドカップが開催された。

19日の女子予選では前戦ソウルの覇者、野中生萌がグループ1位、関川愛音が10位、伊藤ふたば14位、中川瑠15位、青柳未愛19位が準決勝に進んだ。第1戦3位、第2戦4位と好成績のスタートを切った松藤藍夢は23位でまさかの予選落ちとなった。

男子予選は楢﨑智亜がグループ1位、安楽宇宙が5位、通谷律が13位、緒方良行が16位、佐野大輝が19位で予選を通過した。

20日は女子の準決勝、決勝が行われた。日本勢は大苦戦、野中9位、青柳14位、伊藤16位、中川18位、関川20位で、全員が準決勝敗退となった。1位は地元のナタリア・グロスマン、ただ一人の全4完登だった。2位はフランスのベテラン、ファニー・ジベール、3位は中国のルオ・ジールォ(17)と続いた。

女子決勝。第1課題はバランスが必要なスラブ課題、5名が完登できない中、ナタリアがこれを一撃。この時点ですでに「勝負あった」と感じた人も多かったのではないだろうか。第2課題は前向きのスタートから半回転してダブルダイノをきめるもの。フランスのオリアーヌ・ベルトーヌ(18)がこれをみごと一撃。ナタリアは2トライで完登。第3課題は左のカンテ状に倒れこむムーブがポイント、オリアーヌ、アメリカのアナスタシア・サンダース(15)、ルオ、ナタリアの4名が完登。第4課題は最もパワフルな内容で両手アンダーからの手順が鍵となった。ブルック・ラブトウが一撃するが時すでに遅し。すでに優勝が決定していたナタリアが最後にこれを一撃し戦いを締めくくった。


女子準優勝のオリアーヌ・ベルトーヌ

ナタリアの強さが際立った今大会であったが、次戦からはヨーロッパラウンドが始まる。おそらくケガから復帰するであろう女王ヤーニャ・ガーンブレットとナタリアの一騎打ちが、今シーズンのハイライトとなることは間違いない。


女子優勝のナタリア・グロスマン

21日には、男子準決勝、決勝が行われた。日本人は女子の不調を払拭すべく活躍、楢﨑智亜、安楽宙斗(16)、佐野大輝(19)の3名が決勝に進んだ。安楽はほかの上位選手が2完登の中、ただ一人の全4完登という離れ業を見せた。

男子決勝。第1課題は巨大なコラム状。ポジティブなホールドはほとんどなく体のフリが要求される。佐野、アメリカのショーン・ベイリー、安楽、楢﨑が完登。楢﨑は一撃。第2課題はいきなりの遠いランジからマントル。ショーン以外の5名が完登。第3課題は軽いランジからバランス勝負のスラブ。イギリスのトビー・ロバーツ(18)を含む4名が完登。佐野は完登ならず。第4課題はダイナミックムーブの連続。5名が完登。佐野はこれにも失敗し5位となった。全完登は楢﨑と安楽であったがアテンプト数は楢﨑の6に対して安楽は12と大きな差があり、楢﨑が優勝、安楽は2位となった。


男子準優勝の安楽宙斗

女子

1 ナタリア・グロスマン USA
2 オリアーヌ・ベルトーヌ FRA
3 ブルック・ラブトウ USA
4 アナスタシア・サンダース USA
5 ルオ・ジールォ CHN
6 ファニー・ジベール FRA

男子

1 楢﨑智亜
2 安楽宙斗
3 トビー・ロバーツ GBR
4 ショーン・ベイリー USA
5 佐野大輝
6 ハーネス・ファン・ドゥイセン BEL

同一カテゴリの最新ニュース