第4回コンバインドジャパンカップ、楢﨑智亜、野口啓代が優勝

文=北山 真 写真=小澤信太

2021年6月18日、19日、岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場で第4回のコンバインドジャパンカップが開催された。タイミング的に東京五輪の選考会かと思われるかもしれないが、そうではなく2024パリ五輪を見据えた最初の大会であり、スピードを含まないボルダリングとリードのコンバインド競技である。

成績の合算方法も変更された。これまでの順位をベースにするものではなく、1位を100ポイントとして、2位以下は1位に対する成績の比率がポイントとなる。つまりこれまでは、1位が全4完登の場合、3完登でも、2完登でも、2番目の成績であれば同じく2位であったが、今回からはたとえ2位であっても75ポイント、50ポイントと変わるのである。問題はボルダーとリードのポイントの比較であるが、ざっくりとボルダーの1完登は33ポイント、リードの1高度は2.5ポイントである。つまり先に行われるボルダーで1完登の差をつけられた場合、これを逆転するにはリードで14手の差をつけなければならないのだ。これは非常に可能性が低いといえよう。早くも「ボルダラー有利」との声もささやかれている。

とはいえ今回の上位に関しては、そんな杞憂はまったくないリザルトであったといえよう。男子は楢﨑智亜が、女子は野口啓代がボルダー、リードともに1位、200ポイントで総合優勝したのだ。


リード決勝の楢﨑智亜


リード決勝の野口啓代

女子2位は野中生萌。ボルダー、リードともに2位であった。女子3位は渡邊沙亜里。結婚、出産を経て、選手復帰後初の嬉しい表彰台となった。男子2位は藤井快、安定した実力を見せボルダー2位、リード1位タイ。男子3位は緒方良行、ボルダー第3課題ではただ一人の完登(しかも一撃)。そのポテンシャルの高さには驚かされた。リードでも1位タイという好成績をあげた。


完登が出なかった決勝第3課題の野中生萌


決勝第2課題を一撃する渡辺沙亜里


極小ホールドが連続する決勝第2課題の藤井快


決勝第3課題をただ一人完登する緒方良行

なお、併設して行なわれたスピードジャパンオープンで、野中生萌が7秒88の国内新記録を樹立。楢﨑智亜も5秒9の好タイムをマークした。両名ともコンバインド優先のため、スピード決勝には出場しなかった。

男子決勝

    ボルダー リード 総合
1 楢﨑智亜 100.00 100.00 200.00
2 藤井 快 99.73 100.00 199.72
3 緒方良行 55.53 100.00 155.53
4 高田知尭 55.39 99.40 154.79
5 天笠颯太 66.58 87.95 154.52
6 小西 桂 55.54 93.98 149.51
7 井上祐二 55.39 90.96 146.35
8 川又玲瑛 55.54 81.93 137.47

 

女子決勝

    ボルダー リード 総合
1 野口啓代 100.00 100.00 200.00
2 野中生萌 99.73 86.19 185.91
3 渡邉沙亜里 44.84 55.25 100.08
4 谷井菜月 10.87 86.19 97.05
5 中川 瑠 21.60 69.61 91.21
6 伊藤ふたば 21.70 63.54 85.23
7 小池はな 32.61 47.51 80.12
8 小武芽生 0 64.09 64.08

 

関連リンク

同一カテゴリの最新ニュース