盛岡でワールドカップB&Lコンバインド開催
楢﨑智亜、森秋彩が圧勝

男子優勝の楢﨑智亜

文=北山 真 写真=小澤信太、IFSC 

2022年10月20日~22日、盛岡の岩手県県営運動公園スポーツクライミング競技場において、IFSCクライミングワールドカップB&Lコンバインドいわて盛岡2022が行われた。2年後のパリ五輪を見据えての開催であり、コンバインドのワールドカップは世界初。

20日は男女予選。男子37名、女子28名とワールドカップにしては少ない人数ではあるが、全員がボルダー4課題とリードルートをこなすには丸一日を要した。

21日は準決勝。男女それぞれ20名により争われた。決勝進出者の男子は8名中5名が、女子は8名中4名が日本人という結果となった。

さらにこの日は男子決勝までが行われた。開始は18時10分。国内のコンペでは珍しく夜間の開催となった。

ボルダーはダイナミックな第1課題、壁のわずかな形状を使う第2課題、巨大な円盤が連続するが実際に使うのは極小ホールドという第3課題、遠いポケットへのランジからデッドポイントでの手の入れ替えが必要な第4課題と続いた。フランスのポール・ジャンフト、楢﨑智亜が3完登。ドイツのヤニック・フロヘー、川俣玲瑛、藤井快が2完登、緒方良行はまさかの1完登で6位であった。

準優勝した緒方良行

そしてリード、今シーズン苦手なリードを着実に克服してきた緒方が最後に見せた。見るからに悪そうな、最上部の連続するデッドポイントをこなし、完登数手前まで達し最高到達点をマークした。楢崎もここに達するも緒方にはおよばず。しかしボルダー2位のアドバンテージは大きく、緒方に20ポイントの差をつけ逃げ切った。


藤井快は3位に

22日には女子決勝が行われた。

ボルダー第1課題、核心はリーチが必要な最後。これを森は左足をうまく使い解決。森の受難は続く。第2課題は苦手なコーディネーション。これを時間ギリギリで完登。この時点で早くも森の優勝が8割確定した。第3課題はコンプレッションとピンチ。ナタリア・グロスマンがフラッシュ、森は2トライ。第4課題はルートっぽいもの。森はこれを抜群の読みでフラッシュ。ボルダー終了時でナタリア99.1、森98.8。優勝はこのふたりに絞られた。

そしてルード、最上部緑のボリュームを左にたどる部分が核心。ブルック・ラブトゥ、ソ・チャヒョン、そしてナタリアもここまで。最後に登場した森はここをなんなくこなし、ゴールへの右トラバースに入る。異次元の強さ。最終ホールド手前まで高度を伸ばし92.1を獲得、2位を20ポイント引き離し優勝した。

女子優勝の森 秋彩

男子

    ボルダー リード  
1 楢﨑智亜 84.3 72.1 156.4
2 緒方良行 54.5 84 138.4
3 藤井 快 68.6 64 132.6
4 ポール・ジャネフト 84.7 45 129.7
5 ヤニック・フロヘー 64.4 64.1 128.5
6 本間大晴 49.4 68.1 117.5
7 川又玲瑛 64.4 45.1 109.5
8 ショーン・ベイリー 28.6 48 76.6

女子

    ボルダー リード  
1 森 秋彩 98.8 92.1 190.9
2 ナタリア・グロスマン 99.1 72.1 171.2
3 ソ・チェヒョン 59.8 72 131.8
4 ブルック・ラブトゥ 54 72 126.0
5 野中生萌 64.9 39.1 104.0
6 谷井菜月 29.2 68.1 97.3
7 伊藤ふたば 44.8 30.1 74.9
8 ミア・クランプル 33.8 30 63.8

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